暁 〜小説投稿サイト〜
トップシークレット☆ 〜お嬢さま会長は新米秘書に初恋をささげる〜
第2部 放課後トップレディの初恋
繋がり合う気持ち @
[3/3]
[8]
前話
[9]
前
最初
[2]
次話
たしは笑いながら見ていた。
「――でも、今日は誘ってくれた里歩に感謝しなきゃ。ひとりで家にいて悶々としてたって
埒
(
らち
)
あかなかったから」
「だしょ? こういう時は、恋愛
上級者
(
エキスパート
)
の里歩サマを頼ればいいんだって」
わたしは本当に幸せものだ。だって、こんなに頼もしい親友に恵まれたんだから。
* * * *
――お店を出たところで、里歩が立ち止まって「あ、ライン来てる」とスマホを見た。
「ライン? 彼氏さんから?」
「ううん、お父さんからだ。これからお母さんと三人で買い物に行かないか、って。あたし、そろそろスマホの機種変したいと思ってたから、お父さんにお願いしてみようかな」
……お父さんと三人でお出かけなんて羨ましい。わたしにはもう、二度とできないことだったから。
「里歩、行ってきなよ。お父さんには甘えられる時に甘えさせてもらわなきゃ、いなくなってから後悔するよ」
「絢乃……。ありがと、じゃあ今日はここでバイバイだね。また連絡するから」
「うん。今日は付き合ってくれてありがと」
里歩と別れた後、ひとりで駅ビルの中をブラブラ歩いていると――。
「あのさ、間違ってたらゴメン。――篠沢、絢乃ちゃん?」
「……はい? そう……ですけど」
後ろから唐突に男性に声をかけられ、わたしは戸惑いながら振り返り、その男性の顔をまじまじと見つめた。この人、誰かに似ているような……。
「あ、ゴメン! オレは決して怪しいモンしゃないから。……っていうか、オレの顔に何かついてる?」
「あー……、いえ。ちょっと知り合いに似てるなぁと思って。でも誰だったか思い出せなくて」
「ああ、そういうことか。――オレの名前は、桐島
悠
(
ひさし
)
。弟がいつもお世話になってます、絢乃ちゃん」
「桐島? ……って、ああ! もしかして、桐島さんのお兄さまですか? 調理のお仕事をなさってるっていう」
そうか、貢に似ているんだ。ちょっと猫っ毛な髪質や、優しそうな目もとや、シャープな
顎
(
あご
)
のラインが。
貢には四歳上のお兄さまがいると、わたしもその四ヶ月前に聞いていた。この男性はちょうど三十歳前後、年齢的にも彼の四歳くらい上に見えた。
「大正解♪」
貢のお兄さま――悠さんは、嬉しそうにニンマリ笑った。
[8]
前話
[9]
前
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ