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トップシークレット☆ 〜お嬢さま会長は新米秘書に初恋をささげる〜
第2部 放課後トップレディの初恋
放課後トップレディ、誕生! B
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状態に襲われ、制服のスカートの裾をギュッと握りしめることでどうにか落ち着きを取り戻そうとした。
「――絢乃さん? もしかして緊張されてます?」
わたしの異変に目ざとく気づいた貢が、優しく声をかけてくれた。ここで名前呼びだったのは、彼なりの気遣いだったんだと思う。
「うん……。だって、あのカメラ一台一台の向こう側に何万人、何十万人もの人がいるんだって思ったら……」
父が倒れたパーティーの夜、大勢の人の前に出る恐怖はある程度
克服
(
こくふく
)
できたと思っていたけれど。あの時とはそれこそケタ違いの人数で、緊張感だってあの時の比ではなかった。
「う〜ん、なるほど……。僕、こういう時によく効くおまじないを知ってますよ。よろしければお教えしましょうか?」
「……おまじない?」
「はい」と彼は何だか得意げだった。もしかしたら、彼もわたしと同じくあがり症だったのかもしれない。
「子供の頃に、母から教わったベタなおまじないなんですけど。『目の前にいるのは人間じゃなく、カボチャだと思え』だそうです」
「カボチャ……。確かにベタだね」
わたしは思わず笑ってしまった。昭和の昔からよく知られているベタベタなおまじないを、ボスであるわたしに得意げにレクチャーしてくれるなんて。彼は何ていうか、本当に純粋な人だ。
「ありがと、桐島さん。もう大丈夫! 貴方のおかげで、おまじないなしでもやれそうな気がしてきた」
彼のおかげで思わぬ形で緊張が解け、勇気が出てきた。これならスピーチだけじゃなく、質疑応答でどんなことを訊かれても胸を張って答えられそうだと思えた。
「そうですか。僕は何も特別なことはしてませんが、お役に立てたようで何よりです」
あくまで謙虚な彼。でも、わたしは彼のそういうところが好きだ。
『――お集りのメディア関係者のみなさま、お待たせ致しました。ただいまより、篠沢絢乃新会長の就任会見を始めたいと思います』
演台のマイク越しに、久保さんのよく通る第一声が響いた。――いよいよだ!
「じゃあママ、行こう!」
「ええ」
一つ深呼吸をして、わたしたち親子は壇上に上がった。わたし一人じゃなく母も一緒に会見に臨んだのは、母が会長の業務を代行することを発表するためだった。わたしの説明だけで伝わらない部分を、母の口から補足説明してもらうことになっていたのだ。
『――本日この場にお集りのメディア関係者のみなさま、TV・ネットワーク上でこの会見をご覧のみなさま、初めまして。わたしが本日付をもちまして篠沢グループの会長に就任致しました篠沢絢乃でございます。これまで亡き父が行ってきたこのグループの舵取りを、まだ高校生のわたしが引き継がせて頂くことになりました』
貢が作成
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