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トップシークレット☆ 〜お嬢さま会長は新米秘書に初恋をささげる〜
第1部 父との別れとわたしが進むべき道
父の最後の望み @
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いるからかもしれないけれど。
「……っていうか桐島さん、今日も会社早退してきたんだよね? 大丈夫なの?」
わたしは会社内での彼の立場を心配して、そう訊ねた。
「大丈夫ですよ。……実は僕、以前から総務課で上司のパワハラ被害に遭ってまして、部署を異動することにしたんです。で、今は異動先の部署の研修中で早く退勤させてもらってるんです。お母さまの
計
(
はか
)
らいで」
「そっか……、異動するんだ。どこの部署?」
「えーと……、それはまだお教えできません。そのタイミングが来たら、真っ先に絢乃さんにお伝えします」
わたしの質問にお茶を濁した彼は、「できればその時が来ないでほしい」と言っているようにも思えた。
「あと、新車も真っ先にあなたにお
披露目
(
ひろめ
)
しますね。楽しみにしていて下さい」
「うん、楽しみにしてる」
推定年収六百万円の彼が、その年収の三分の二もかかる大金をはたいて購入した新車。最初に披露してくれるのがわたしなんて嬉しくて仕方がなかった。
「――わぁ……、スゴくいい眺め!」
わたしのお小遣いで二人分のチケットを買って天望デッキに上がった途端、わたしはガラス越しに見えた東京の街並みに歓声を上げた。地上三百五十メートル地点から見ると、篠沢商事本社のある丸ノ内も新宿の高層ビル群もミニチュアのように見えた。
「気分転換できました?」
「うん! 来てよかった。桐島さん、連れてきてくれてありがとね!」
行き先をリクエストしたのはわたし自身だったけれど、イヤな顔ひとつせずに付き合ってくれた貢は本当にいい人だ。
「――ところで絢乃さん、お小遣いって毎月いくらくらいもらってるんですか?」
彼が素朴な疑問を口にした。わたしが学校から家まで送ってくれたお礼にと五千円札を握らせ、タワーの入場チケットも彼の分まで買ったので訊きたくなったのだろう。
「んー、毎月五万円。でも、わたしには多いくらいなんだよね。ブランドものとか好きじゃないし、高校生の交際費なんて限られてるでしょ」
特に使い道のないお金は余る一方で、わたしの長財布はいつもパンパンになってしまっていたのだ。
「確かにそうかもしれませんけど。お嬢さまって、もっとお金を湯水のように使うイメージがあったので、つい……」
「よそのお嬢さまはどうか知らないけど、ウチはそんなことないよ? パパは元々一般社員だったし、ママだって教師やってた頃は自分のお給料、自分で管理してたっていうし。わたしも、そんな両親を見習ってるから」
彼の持つイメージはわたしと真逆だったので、苦笑いしながら答えた。
里歩と放課後にお茶する時だって、わたしは高級カフェよりもお手頃価格のコーヒーチェーンやファストフード店を
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