第136話『潜入作戦@』
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……ここ、鏡の中の世界ってことか?」
大地が周囲を見渡しながら呟く。その時、背後から鋭い気配が走った。
「──危ない!」
「うおっ!」
振り向くと、複製体達が無言でこちらへ手を伸ばしていた。晴登は急いで大地を抱えながら横に飛び、距離を取る。
既に接敵しているのだ。一瞬たりとも気を抜いてはいけない。
「助かった晴登!」
「このまま逃げてもいいけど……」
「冗談。こいつらぶっちめて優菜ちゃんの居場所を吐かせてやるぞ」
即断即決、晴登と大地はすぐに動いた。晴登は"風の加護"で素早く間合いを詰め、複製体に"烈風拳"を放つ。一方大地は複製体の顔面に容赦なくドロップキックをかましていた。
「どうだ!」
鏡から生成されていたから皮膚が硬いかとも思ったが、意外と殴った手応えは普通の人間と同じだった。その生々しさに嫌悪感を感じつつも、攻撃を喰らって地面を転がる二人の複製体の行方を見据える。
「うおっ、まだ立つのかよ」
しかし耐久力は人間を遥かに凌駕しているようで、先程の攻撃がまるで効いていなかったかのようにむくりと立ち上がった。
……どうやら、完全にトドメを刺さないといけないらしい。
「大地、下がって!」
「え?」
起き上がった複製体に立ち向かおうとする大地を引き止め、晴登は深呼吸する。そして大地が後退したのを確認してから、腕を大きく振りかぶった。
「"鎌鼬"!」
晴登が腕を振るうと、圧縮された風が刃となって、複製体達の腹部を両断する。しかしそこから血液が噴き出ることはなく、複製体はばたりと倒れて人形のように活動を停止した。
「すげぇ! 今のが魔術か!」
「人間に向かって使いたい技じゃないけどね。でもとりあえず、拘束される前に仕留められて良かった」
晴登の技に興奮する大地を微笑ましく思いつつ、ひとまずの関門は乗り越えたと晴登は息をつく。
──その視線の先で、新たな刺客と目が合った。
「そんな、早すぎる……!」
晴登は息を呑んだ。
複製体を撃破したばかりの彼らの前に、次の敵が現れた。黒いフードを深く被った男──紛れもない、鏡男だ。彼は無言のまま、じっとこちらを見据えている。
「どうした晴登……そういうことか」
晴登の表情を見て、大地も事態を察したようだ。
この作戦の最大の関門が早速登場してしまった。
「大地は先に行って! ここは俺が食い止める!」
晴登は咄嗟に大地を押しやる。鏡男の相手は晴登しかできない。
「……大丈
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