九話
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すいません。すぐに退きます」
これは別の意味でまずい。視線をよそにやると……
「……シャァアさぁん!?」
案の定、セシリアの怒りが有頂天になっていた。
やはり少女というのは気難しい。父親の様な、親しい異性の様に感じていた存在が、別の女性とこうなるのはやはり怒りが来るのだろうか。
因みに私はセシリアの思いに何となくだが感づいている。今はやや異性の面が大きいようだ。私は一夏と違って鈍感ではない。
「あー、こう見えて山田先生は元代表候補生だ。甘く見るなよ」
そう言う織斑先生の言葉に、セシリアが反応する。
「鈴さん、油断はなさらない様に」
「なによ、あのへボい着地みたでしょ」
「確かにあまりよろしい物ではありませんでしたが……」
セシリアが、あえて皆に聞こえる様に言った。
「着地後、シャアさんに傷一つ負わせない様転がり込んでカバーしています。よほどの腕ですわよ」
「……オーケー、セシリアの審美眼に疑いはないわ。全力で行くから、いつものよろしく」
「さあ、目に物見せて差し上げましょう」
「い、行きます!」
そう言って、戦いの火蓋が切って落とされた。
「デュノア、今の間に山田先生が使っているISを解説してみせろ」
「あっ、はい。ええと、山田先生が使っているISはデュノア製のラファール・リヴァイヴです。第二世代型の開発では最後期となっていますが……」
織斑先生に何やらシャルルが説明させられていたが、私はすでに空中の戦闘に目を奪われていた。
山田先生は見事に二人の攻撃を捌ききっている。
鈴が言ったいつものとはセシリアが遠距離、鈴が近中距離で攻撃を行うといったスタイルだが、山田先生はそれをものともしない。
何より凄いのは、山田先生の機体の向きだ。
確りとセシリアと鈴がいる方向にぴたりと張り付いて向きを変えない。
セシリアと鈴が二手に分かれた場合は、何方かの方向へ移動し絶対に後ろを見せない。
流石に何発か被弾しシールドエネルギーは減少しているがそれはセシリアと鈴の比ではない。
特に前に出て戦う鈴のシールドエネルギーの減少が早い。もう間もなく撃墜るだろう。
「くう、こなくそ!」
鈴が近距離で衝撃砲を撃ち、セシリアのBT兵器と手持ちのスターライトが逃げ道を塞ぐ。
そこで山田先生は、瞬時加速を後ろにかけた。
近距離の衝撃砲は交差し外れ、BT兵器とスターライトは直線状に流れ消えていく。
「ちょ、マジ!?」
そのまま一斉斉射を食らった鈴君がリタイヤした。
ここからはセシリアと山田先生の一騎打ちだ
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