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IS《インフィニット・ストラトス》‐砂色の想い‐
日常への帰還
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私の言葉を聞いています。

「どこのだ?」

「米国第2世代型IS『アラクネ』です。米軍の援軍かと思ったんですけど、反応は一瞬で直ぐにステルスモードで離脱してしまいましたから多分偵察か何かではないかと」

「……そうか」

 ラウラさんはそれだけ言うと顔を顰めます。一体何が気になるのでしょう? その後米軍のアプローチも何もなかったので気になるのは気になるんですけど。

「その時は気にする余裕もありませんでしたし詳細は分かりません。織斑先生にも報告はしましたが、それが何か?」

「いや……こちらのことだ。気にするな」

 そんな訳にはいかないじゃないですか。でもラウラさんは聞きたいことは聞いたとばかりに私に背を向けるとそのまま旅館に戻っていってしましました。

「一体なんなんですか?」

「さあ、僕にも話してくれなかったからよく分からないよ」

 シャルロットさんはいつもの人懐こい顔に戻って肩を竦めています。うーむ、私も気になりますし少しこちらでも調べておく必要があるんでしょうかね。

「あ、そう言えば篠ノ之博士知らない? 消えちゃったんだ」

「消えた?」

 しまった……本国でも確保命令を出てる人をロストするなんて。また怒られる要因が増えるなあ。

「うん、山田先生の話だと何か福音の完全停止が確認された途端忽然と姿を消しちゃったみたい」

「そうですか」

 よく考えれば世界中が血眼になって探している人をいくらISを持っているからって数人で監視しておけるわけ無いですよね。別に監禁してるわけでもないんですから尚更です。

「それにしても第4世代か〜。今回は驚くことばかりだったね」

「ええ、本当に」

 シャルロットさんが私の横に来て軽く髪の毛を掻き上げた。いつもと違いお風呂に入った後なので髪は結んでおらず、見事な金髪が月の光を反射してキラキラと輝く。羨ましいくらい綺麗。
 そのまましばらくシャルロットさんと私はその場で海を眺める。月に照らされて目の前に広がる海は先ほどまでの出来事が無かったかのように静かに波の音だけを立てている。風に乗って微かな塩の香りがした。
 明日でここともお別れか……色々ありすぎて疲れちゃった。

「少しさ……考えたんだ」

「はい」

 そんなことを考えているとシャルロットさんが呟くように言ったので私も呟くように返す。

「いつかさ、豪州に行ってみても……いいかな?」

「え?」

 私がシャルロットさんの方を振り向くと慌てたようにシャルロットさんが顔の前で振る。

「あ、モチロンまだ亡命とかは考えてないよ! 直ぐでもないしもう少し考えたいんだ。でも……今まで故郷の土地しか知らなかったから色々見てみたいなー、って。ダメ、かな?
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