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IS《インフィニット・ストラトス》‐砂色の想い‐
日常への帰還
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しょうがないかと……同世代でその大きさは正直反則級なんですよ。

 ゴホン

「大丈夫です。似合ってますよ。でもどうしてこんな時間に着替えるんですか?」

「う、むう。先ほど一夏が泳いでいるのが見えて……な……」

 そう言ってモジモジする箒さんはなんと言うか、乙女です。

「では行ってらっしゃい」

「お、お前はいいのか? 行かなくても」

 何でこういうところ遠慮するんでしょうかね? 出し抜くくらいの気持ちで行けばいいのに。まあそういうところが箒さんのいいところでもあるんですけど。

「前から言ってるじゃないですか。私は一夏さんのことは友達として好きなんです。異性としてはまだ、ですね」

「まだ?」

「ですから、私が好きになる前に箒さんが一夏さんと恋人になってくれればいいんですよ」

「う、むう………」

 恋人と言う単語に箒さんが顔を真っ赤にして俯いてしまう。相変わらず可愛いんだから。私は箒さんの後ろに回ると背中を押して更衣室から箒さんを出しました。

「ほら、行った行った。他の人にばれる前に行かないとまた邪魔されますよ?」

「わ、分かった! 分かったから押すな!」

「はいはい」

「押すなと言うのに!」

 浜辺への出口から箒さんを押し切ると後はその場で手を振っておく。箒さんは時々こちらを振り返りながらも浜辺へと降りていきました。
 ふと空を見ると、雲ひとつ無く満月が明るく海を照らし出しています。
 うん、完璧なシチュエーション。神様も粋な計らいをしてくれます。この状態で告白されたら誰でもOKしてしまいそう。

「一夏はどこだぁ!」

 遠くから聞こえる鈴さんの叫び声。少し訂正。邪魔が入らなければ、OKしてしまいそうですね。

「ふふ、元気だね。あんなことがあった後なのに」

「シャルロットさん?」

 いつの間に来ていたのか、後ろから聞こえた声に振り返ると浴衣姿のシャルロットさんとラウラさんが立っていました。

「少し聞きたいことがある」

「はい、何でしょう?」

 ラウラさんがこちらに少し近づいてきて尋ねてきました。
 顔が……軍人の顔です。その顔に私も思わず姿勢を正してしまいます。

「例の密漁船、どうなったか知っているか?」

「……いえ、私も詳しいことは。先生からは破壊されたとしか」

「む……では質問を変える。あの船に何か特別なことは無かったか?」

 ラウラさんの言葉に思い当たる。そう言えば……

「ありました」

「なんだ」

「船、というか一瞬ですが船のいた場所からISの反応が出ました」

 その言葉を聞いた瞬間ラウラさんの眉がピクリと動く。シャルロットさんも同じように厳しい顔つきになって
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