七話
[3/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
それを確かめた。
決して分が悪い賭けではなかったと思う。
「では何故無人機であるとわかった?」
「動きで大体把握できました」
「それだけでか?」
「はい、何よりも一夏君の観察眼にかけました。彼はいい目を持っている」
これも事実だ。一夏は良い観察眼を持っている、鍛えたら化けるだろう。
「では次の質問だ。これに搭載されていたAIはプロテクトが厳重でな。家の精鋭が匙を投げた」
織斑先生が私の目をのぞき込みながら言う。
「率直に聞こう。アムロとは誰だ?いやなんだ?」
織斑先生の言葉に一瞬固まった。アムロ、か。
私にとって宿敵であり、戦友であり、愛する人を奪った敵でもある。
そしてその全てを語る事は出来ない。ここは宇宙世紀ではないのだから。
であるならば、私の言葉は限られる。
「……私の、嘗ての友です」
「男か?」
「そうです」
「それをあの所属不明機に重ねたのか」
「はい。不思議な事に」
目と目が合う、やはり無理があったか。とは言え、これ以上私の口から語れる事は無い。
暫くそうしていると、不意に山田先生が声を上げた。
「ISコア、該当結果在りませんでした。未登録のコアです」
織斑先生が其方を向く。登録されてないISコア……やはり下手人は彼女か。
「それなら私に心当たりがある。……いいかアズナブル。お前の立場は今危うい」
織斑先生が続ける。
「数少ない男性IS起動者でありながら、優れた操縦、挙句先の所属不明機との一戦。これで実戦経験が無いはおかしいだろう」
「ですが、実際に無いもので」
「無理筋だな」
「ですね」
織斑先生が溜息を吐く。実際、この茶番に付き合ってくれているだけ良い人なのだろう。
「……少なくともこの学園にいるうちには此方側で対処可能だ。だが卒業した時、お前の身柄がどうなるのかは想像できない」
「そうでしょう」
「いいか、学生でいる間に何か伝手を作れ。進路指導という形で、我々もサポートする」
……成程、この人もしっかりと先生をやっているという事か。
思えば宇宙世紀には、余りまともな大人というのは少なかった。
私自身、カミーユにうまいことやれなかったことを後悔している。
「ありがとうございます」
「構わん、今後とも我々先生を頼る様に。あと今回の事は他言無用だ。わかったな」
「はい。では失礼しました」
そう言って、私は地下室から出た。
ああ言う、ちゃんとした大人がいればカミーユもあんなことにならなかったのではないか。
私がちゃんと大人をしていれば、結末は違っ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ