三話
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織斑さんの雪片使用によるシールドエネルギー切れ。要するに自滅だ。
雪片は自身のシールドエネルギーを使い、シールドバリアーを斬り裂いて相手のシールドエネルギーに直接ダメージを与えられるまさに諸刃の剣。
織斑さんは、最後にその使いどころを間違えた。
まあ、もしもの話だが。
「……ふん」
織斑さんが使いどころをわかっていても、勝負にはならなかっただろうが。
「ちくしょう……っ!」
壁にこぶしを打ち付ける。こぶしが傷つくほどの気力は、残っていなかった。
そのまま何度も壁を打っていると、声をかけてくる存在が一人。
「一夏、大丈夫か」
篠ノ之箒だ。
彼女は何とも言えない表情で、一夏に声をかける。
「決闘、惜しかったじゃないか。あと少しで____」
「____惜しかった!あれがか!?」
一夏が思わず声を荒げる。
「一夏……」
「……ごめん、箒。つい辛く当たっちまって」
「いや、いいんだ」
箒の言葉に、一夏が謝る。
少し考えるような素振りを見せた後、箒が言う。
「でも、惜しかったんじゃないか?最後の一撃が当たれば、そのまま逆転で来たんじゃ……」
「違う、あれは完全に避けられていた」
一夏がそう返す。箒が驚いたような顔をする。
「あいつは、シャアは何もしなかった。俺がシールドエネルギー切れで負けるところまで予測していた。避けようと思えば避けていた」
一夏は続ける。
「俺が雪片を使った時、あいつはレーザーを撃ってきた。それで雪片の消耗具合を確かめていた」
まるで絞り出すように一夏が言うと、それでも元気づけようと箒が言う。
「でもすごいじゃないか、あんな操縦技術を持つ奴と互角に戦えて」
「少しも互角じゃなかった!俺はシャアの手のひらの上だった!」
思わずといった様子で、一夏が叫んだ。
「なあ箒……あいつがさっきの決闘で、一回でもBT兵器を使ったか?」
「まさか……」
「結局のところ、俺は歯牙にもかけられていなかった」
一夏が思わず箒に縋りつき、箒が赤面する。
「なっ、一夏____」
「____箒、強くなりてぇよ……っ!」
一夏の言葉に、箒が黙り込む。
「強くなりてぇ、少しでもあいつに、シャアの隣に立ちてぇ!」
「……ああ、強くなろう。一緒に」
思わず涙が目からにじみ出る一夏を、そっと箒が抱きしめた。
そして、それを陰で眺めながら。
「まったく、あれで折れんか。……強くなったな」
自分の弟の強さを確認し、私、織斑千
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