三話
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いつに見合った機体《・・・・・・・・・・》があれば、私と対等に渡り合える存在になる。
久々の強敵の出現に、思わず武者震いをする。
そして、遠いどこかで活動しているであろう、世界に失望した友人の事を考えた。
「なあ、束。見ているか?」
お前が思っている以上に、この世界は広いかもしれないぞ?
およそ二十五分。シャアさんと、織斑さんの決闘は続いた。
わたくしにとって、それはあまりに無謀で。だけど羨ましくて。
なんとも複雑な感情を抱きながら、わたくしはこの決闘を見続けている。
まるでシャアさんに導かれるかのように、織斑さんは練度を増している。
しかし、シャアさんにはまるで届かず。
内容は、わたくしの時とは打って変わって見えた。
わたくしの時は、突き放すようで手綱を決して離さない。
織斑さんの時は、赤子に歩き方を教えるように。しかし、要所要所で獅子が赤子を崖から突き落とすかのような苛烈さが待っている。
両方とも、過程は違えど結果は同じ。最後に立っているのは、やはりシャアさんだろう。
「言った通りになりましたわね」
結局、わたくしも、ましては最近乗ったばかりの織斑さんではシャアさんの足元にも及ばない。
届くのは、もしかしたらあのブリュンヒルデ……いえ、そこまでは考えすぎだ。
「でも、シャアさんなら……」
思わず、そう考えてしまうのは彼の圧倒的な強さか、魔性に感じるカリスマ性か、もしくはその両方か。
そんなことを考えているうちに、決闘に動きがあった。
織斑さんが中段から放った斬り払いをよけ、腹部に蹴りを入れるシャアさん。
まったく、足技が好きなのですね……と思わず考えると、織斑さんの機体の姿が変わる。
砂煙が晴れた先に現れた機体はより洗練され、白に輝いていた。
「まさか、一次移行!?織斑さんは初期状態で、あそこまでの動きを!?」
思わず呟く。初期状態であの動き、いくらシャアさんに導かれているとはいえ、あまりにも桁外れな潜在能力。
そして、彼の両手に掴まれた剣。それが何なのかを、セシリアは直感的に理解した。
「雪片____!」
IS搭乗者なら誰も知っている武器。最強の象徴にして、織斑千冬のメインウェポン。
織斑さんは軽く雪片を振ると、シャアさんを目掛けて一気にスラスターを吹かす。
シャアさんが手に持つ試作型スターライトを放つが、織斑さんは雪片でそれを打ち消していく。
そして、織斑さんが雪片を振りかぶり____
『試合終了____勝者、シャア・アズナブル』
____決闘の決着がついた。なんともあっけなく。
決定打は
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