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無限の成層圏 虹になった男
三話
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いたぜ!」

 シャアの瞬時加速に、俺の瞬時加速を合わせる。なるほど、こういう風に使うのか、瞬時加速ってのは!
 そのまま真向にブレードを振り下ろす。しかし、またシャアの姿がぶれる。

 「なんだよそれ!」

 「こういう風な使い方もできる」

 シャアの姿がまた遠く離れていき、レーザーが飛んでくる。
 思わず被弾しちまったが、まだまだやれる!

 「まだまだ、行くぞシャア!」

 「来るがいい!」

 本来なら間違いなく歯が立たない相手。しかし、俺は今実力を全部出しきっている!
 不思議な高揚感とともに俺はシャアのもとへスラスターを吹かした。











 「個別連続瞬時加速(リボルバーイグニッションブースト)!?何故アズナブル君が!?」

 真耶の驚く声が耳に入る。それもそのはず、今アズナブルが使った技術は高等技術、国家代表でも成功率は低い。

 「恐らく、知識として得ていたのではない。使える(・・・)と感じ取ったのだろうな、アズナブルは」

 私、織斑千冬がそう答えた。
 しかし、あの身のこなし、戦術眼、武器の取捨選択……アズナブルは化け物か?

 「しかし、アズナブルの動きには不可解な点が多いな」

 「不可解な点、とは……?」

 私の言葉に、真耶が聞き返す。

 「アズナブルの動きは、明らかに戦闘馴れ……いや、戦場馴れ(・・・・)している。……一体、どこであいつは学んだ?」

 「そんな、織斑君が見つかってまだ半年と経っていないんですよ!?なのに……」

 「だが事実、アズナブルは高等テクニックを易々と使いこなしている。明らかに戦場に出たことのある動きだ」

 さらに言うなれば、動きには我流が目立つ。何かしらの流派といったこだわりは見えないな。

 「しかし、アズナブル君の経歴には戦場に出たという形跡はありません。間違いなく、孤児院で普通に育ったと……」

 「もう一度洗いだしてみるべきかもな。ところで、気づいたか?真耶」

 「気づいたって、何がですか?」

 「アズナブルが個別瞬時加速を使ったのは、織斑が瞬時加速を使った瞬間だ」

 「まさか……」

 「解っていたのだろう、織斑が瞬時加速を使えるようになったと」

 それは最早審美眼や戦術眼といった様なものではない。予知に近い何かだ。

 「まさか!それじゃあまるで、一夏君の行動を予知したというんですか!?」

 「解らない。が、あの少年……」

 私は思わず笑う。

 「私とも勝負になるかもな」

 「そんな、まさか……」

 真耶が呟く。もし、仮にだ。
 アズナブルがそれ相応の経験を積めば。いや、積まなくとも。
 |あ
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