三話
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ザーはさっきまで俺のいた所を通り過ぎていった。
さらに二射、三射と続くシャアの攻撃を、すんでのところで回避する。
俺の手札は近接ブレードしかない。それには驚いたし、遠距離武器の一つでも欲しいものだが無い物強請りをしている暇はない。
どんどん攻撃が苛烈さを増す。しかし、こちらも最初こそこちらの機体____白式に振り回されていたが、制御が追いつく。
こちらの勝ち筋は接近戦によるもののみ、ならば前に出るしかない。
シャアの射撃を宙返りで避けるようにしつつ、そのまま高度をとる。
そして一気にスラスターの出力を上げた。
上空からの急降下、少しでも速度を乗せるため重力を味方につける。
シャアの正確無比な攻撃を右へ左へ最小限の動きで避ける。多少被弾するが、それも覚悟のうちだ。
「うおおおおお!」
そして上段の構えから振り下ろされた一撃は、シャアの左手に展開されたブレードに受け止められる。
鍔迫り合い。それは旋回するような形で行われた。こいつ、旋回の動きで力を受け流している!
「成程……秘密の特訓とは、剣道の事だったか」
「ああ、ISの機動はシャアが教えてくれたからな!」
「だが、私もフェンシングなら少し心得があってな。受けて立つ!」
シャアの言葉に、俺は強引に斬り上げ鍔迫り合いを終わらせる。瞬間、シャアの姿が一気に離れる。
これが瞬時加速か!即座に機動へ、俺はシャアを中心とした円状に急速機動へ移行する。
再びシャアの射撃。避けれると思ったそれは、白式の中心部分への被弾によって考えを改めさせられる。
糞っ、進行方向を予測された!ただの機動じゃ無理だ。どうにかして、フェイントを混ぜながら接近するんだ!
そのまま高機動戦にもつれ込ませようとするが、シャアがふと声を上げる。
「そういえば一夏君。君は遠距離攻撃はしないのか」
「生憎と何もないもんでね!」
「そうか、……このまま引き打ちというのもつまらんな。どれ」
そう言うと、再びシャアの姿がぶれる。
「少し、斬り結んでみようか」
瞬間、目の前にシャアの姿、左上段から袈裟斬りの構え。
「上等だ!」
シャアの斬撃をいなす。今度はこちらの番だ。
逆袈裟、真向、左一文字斬りの三段攻撃は、しかしシャアにすべていなし、躱され、受け止められる。
再びの鍔迫り合いの中、シャアに叫ぶ。
「フェンシングってのも侮れないな!」
「まあその技は今は使えるような状態じゃないがな」
鍔迫り合いは、今度はシャアの方が切り上げた。
またシャアの姿がぶれる。俺はそれを待っていた!
「ほう、ついてくるか!」
「やっと追いつ
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