一巻
一話
[3/5]
[1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
と呆れすら感じる。
しかし、それ以上に。
BT兵器という脳波で操作する兵器を操る能力に、強い感受性。
この少女には、どうしても一人の少年を思い起こさせられる。
「この、ちょこまかと!」
イギリスのアリーナ。
そこでわたくし、セシリア・オルコットはスターライトを撃つ。
しかし、かすりもせずレーザーはアリーナを覆う遮断シールドに吸い込まれた。
間髪入れずに鳴る警告音。
すぐさまスラスターを吹かすと、先ほどまでいた場所にレーザーが二本過ぎ去っていく。
そのまま後退していくと、正確無比にレーザーが数瞬でわたくしのいた所を薙ぎ払っていく。
そして、前を見るとBT兵器を自在に操りながら接近してくる男の影。
「ッ! インターセプター!」
左手で近距離用の武器を手に取り横に薙ぎ払うのを、男はまるで分かっていたかのように潜り抜ける。
瞬間、腹部に重い衝撃。すぐさま自分が蹴られたことを理解し、スラスターにて機体制御。
体勢を立て直すと、目の前の男はそれを待っているかのようにただ佇んでいた。
「そうやって目の前のものにとらわれるとそうもなろう。ハイパーセンサーは確かに使い勝手はいいが、相手の動きをよく考え予測することだ」
目の前の男がそう言う。
足蹴にされた怒りも、余裕を持ったあり方にも、もう微塵も怒りが湧いてこない。
当然の様にBT兵器を起動しながら操り、正確な射撃。瞬時加速を併用した狡猾な攻め。
それを今初めてISに乗った男が、繰り出してくる。
怒りに始まった模擬戦は、困惑、恐怖へと変遷し、やがて尊敬へと変わった。
どうして貴方は強いのか。
否、どうして貴方はそこまで強く在れるのか。
「そら、次の一手だ」
そう言いながら男、いや、シャア・アズナブルはプロト・スターライトを撃つ。
狙いはわたくし……そして、同射線上にあるこちらのBT兵器。
無我夢中で機動し、わたくしはそこで初めてBT兵器と自身の同時機動に成功する。
「そうだ。君の空間認識能力では、BT兵器との同時機動はできるはずだ」
簡単に言ってくれる──
そう考える暇もなく、BT兵器との連続攻撃に翻弄される。
そうしているうちに、シャア・アズナブルとの距離が離れていくことに気が付く。
まずい、このままでは──
「そら、君の得意の射撃戦だ」
そう言いながらシャア・アズナブルはプロト・スターライトを撃った。
BT兵器とともにちりばめられたレーザーを体をひねる様に避け、手の中のスターライトを撃つ。
射撃が完了しているころには、もう回避行動をとられていた。
化け物、と毒づきなが
[1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ