第一部 --SAO<ソードアート・オンライン>編--
第四章 クリスマスの夜に…
第30話 《背教者ニコラス》
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、キリトのことを止めに来てたんだろ?」
「…さっきのクライン達のことを知ってるって事は、俺の後を尾けて来てたのか?」
「そうだよ。それでクラインと話してる間に先回りしたんだ」
「そこをどけシュウ。邪魔するなら……斬るぞ」
「シュウさん……」
俺の言葉を聞いてから、剣を抜くキリト。
そのキリトの姿に、俺に向って服の裾を掴んで心配そうな声を出すシリカ。
…キリトの奴、マジで俺とシリカを斬ろうとしてるな。……仕方ない。
俺は服の裾を掴んでいるシリカの頭を撫でながら、シリカにしか聞こえないほどの小さな声で、
「……大丈夫だよ」
と言って、シリカを少し安心させてからウィンドウを出す。
そしてキリトに向って《初撃決着モード》を選んで《試合》を申し込んだ。
「キリト、俺を斬って退かせたいなら《試合》で勝負だ。俺が負けたら、このまま帰る。けどキリトが負けたら、お前の戦いを観戦させてもらう。観戦に関しては手は出さないつもりだけど、キリトが危なくなったら手は勝手に出させてもらう。良いか?」
「……前線から離れたお前が、俺に勝てると思ってるのか?」
「それはやってみなきゃ分からないだろ。……それより、良いのか悪いのかハッキリ言ってくれ」
「もし、嫌だといったら」
「縄に縛ってでも戦わせない。そのあと戦えなかったせいで自殺しようとするなら、システムが邪魔して死ねない監獄エリアにでも飛んでもらう」
「結局、俺と戦う事になるんだな。……分かった、時間が無いから早く終わらせるぞ」
そう言って、キリトは俺からの《試合》を受託した。
その後、キリトと俺の間に『60』というカウントダウンが現れる。
「シリカは少し下がってろ」
「はい」
俺が下がるように伝えると、シリカは素直に後ろに下がる。
そのまま俺とキリトはそれぞれ構えると、カウントが『0』になるのを待つ。
……正直キリトにはあんな見栄を張ったが、この試合は勝てる気がしない。
キリトと戦う前は、いつもあらかじめ動きを見た後で、先の動きを予測しやすい状態だった。
しかし、今はキリトと戦うのは約一年ぶり。これだけあれば、癖なんかも変わるだろう。
なので今は、ただでさえ読みにくかったキリトの動きが、さらに良く分からない状態だ。
でもだからといって、キリトに負けるという訳ではない。
実感がないから自信が起きないが、俺もシリカと一緒にダンジョンに入って少しは成長したはずだ。
けど、長引いてはほとんどの確立で負けるはず。なら、勝つ為にやるべきことは一つしかない!
二撃目からは予測できないけど、キリトの最初の一撃目だけは予想が付く。
早く終わらせたくて、俺が前線
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