第一章
[1/2]
[1]次 最後 [2]次話
少女の秘宝
哲学者のクリス=ブロディ青い目でダークブラウンの右で分けた髪に理知的で面長の顔の大柄な彼は友人の生物学者パイロン=ワンアジア系で黒い髪と目で中背の彼に一緒に飲む時にこんなことを言った。
「この世で最も尊いものは何か」
「命だな」
ワンは笑って答えた。
「やはりな」
「君から見ればだな」
「違わないか、やはりだ」
ワンはブロディに言った。
「命があってこそ、種の保存もまた」
「然りだな」
「そうだ、私が研究していることも」
「種の保存だな」
「一つの種類が残るには」
地球にというのだ。
「これが中々難しい」
「絶滅した生きものも多いしな」
「人為的な理由が一番嫌だが」
それでもというのだ。
「環境が変わりな」
「絶滅することもだな」
「よくない、私としてはな」
「絶滅して欲しくないな」
「どんな種類もな」
「それ僕も同じ考えだよ」
ブロディはバーボンを飲みつつ答えた、今二人はボストンのブロディの自宅で共に飲んでいる。同じ大学で勤務している。
「やはりね」
「生きものの命は大事だ」
「何よりもね」
「自然の摂理は破壊しないにしても」
ワンはそれでもとウイスキーを飲みながら話した。
「しかし絶滅はね」
「ない方がいい」
「それが一番だよ」
「全くだ」
「私の考えは言った、では次はだ」
ワンはブロディに言葉を返した。
「君の番だが」
「僕が一番大事なものは何か」
「一体何だ」
「少女の秘宝だな」
ワンに笑って答えた。
「それは」
「少女の?」
「それだよ」
「それは駄目だな」
「犯罪だろ」
こうブロディに告げた。
「少女のだな」
「秘宝こそがこの世で一番大事だと言えば」
「本当にあった話だ」
ワンは忌々し気に言った。
「幼女を買春する」
「世界中の権力者が」
「密かにな」
「有り得ない話だと思っていたが」
「そんなおぞましい話があった」
「僕の言うことはそれじゃないか」
「君にそんな趣味があるとは思わないが」
友人に対して言うのだった。
「その言葉は危険だ」
「哲学的表現だ」
ブロディは笑顔で返した。
「そう考えてくれ」
「哲学者独特のか」
「哲学者というものは勿体ぶってやたら何かありそうな単語を創作する」
「サルトルもニーチェもだな」
「ベーコンもだよ、そしてだ」
「君もか」
「僕も哲学者だからな」
それ故にというのだ。
「その癖があるのだよ」
「それで言うのか」
「要するに無垢な心だ」
ブロディは言った。
「今僕が言うのは」
「少女の様な、か」
「無垢で純粋な心だよ」
「それが大事か」
「この世で最も。それがあれば」
その心
[1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ