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自由を求めて
第二章

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「合衆国ではです」
「厳しくないですね」
「言論は自由であり」
 そうしてというのだ。
「表現も集会、結社もです」
「自由であって」
「犯罪でもないとです」
「何をしてもいいですか」
「はい、貴方は既にお仕事もありますし」
 それでというのだ。
「働かれて糧を得られてそれで暮らされるなら」
「何をしてもいいですか」
「お好きな様に」 
 政府の者は笑顔で何でもないといった顔で言った、彼にとってはそれで終わりのものであった。だが。
 マトリョフスキーは戸惑いだした、具体的に何をすればいいのかだ。
 彼はわからなかった、仕事はしてアメリカの大きなプールも見事な駐車場のある家で暮らして賑やかな多くの番組にだった。
 派手な車にこれでもかとある音楽や本そして色々な発言や表現、街に溢れ返っているアイスクリームやドーナツ、様々な料理や飲みものを前にしてもだ。
 どうしていいかわからなかった、ただ戸惑うばかりで。
 何をすべきか言うべきかわからなかった、それで政府の者にたまりかねてまた言った。
「何をしていいかわかりません」
「ですから何をしてもいいです」
「いえ、その何をしていいかがです」
 それがというのだ。
「全く」
「あの、テレビを観られて車に乗ってドライブをして」
 政府の者は彼の暮らしのことから話した。
「プールで泳いでいいと思った音楽を聴いて本を読めば」
「いいですか」
「行きたい場所に行かれて」
 そしてというのだ。
「これはいいなと思ったものを召し上がられると」
「いいんですか」
「ハンバーガーでもコーラでも」
 そうしたものでもというので。
「食べたい、飲みたいと思われたなら」
「口にすればいいですね」
「そしてご自身の主張もです」
「政府を批判してもですね」
「誰かが間違っていると思えば」
 その時はというのだ。
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