暁 〜小説投稿サイト〜
SAO─戦士達の物語
GGO編
百話 模擬戦闘
[1/4]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話
「さて、」
あの後直ぐに合う約束をして、湯島とは程近い御茶ノ水の病院までやって来た涼人は安岐さんに手早く挨拶を済ませると、既にログインしている和人を横目に椅子に飛び乗り、手早く心電図パッドをしてアミュスフィアを被る。

「ありゃ、お急ぎ?」
「ええまぁ。ちょいと用事が出来まして……」
「了解了解!んじゃ準備OK!どうぞ!」
「どもっす!リンクスタート!」
一言。そのワードを放った瞬間、涼人の意識は別世界へと飛び出した。

――――

「っと」
降り立ったのは、昨日リョウコウがログアウトした場所。即ち、グロッケンの、総督府前だった。
身体の調子を確認し、特に問題無い事を理解すると、リョウは周囲を見渡す。
目的の人物は、案外と素早く見つかった。

「よっ」
「どうも」
先程まで会っていた少年とは似ても似つかぬイケメンだが、どこか雰囲気には同じ物を感じる。間違いない。シュピーゲルこと、新川恭二である。

「んじゃ行こうぜ。場所有るんだろ?」
「……本気ですか?」
シュピーゲルがもう一度確認するように問うて来る。対し、リョウはニヤリと笑ってからかうように返す。

「お前さんは俺より自分の心配した方が良いと思うぜ?」
「……そうですか」
あまりに不遜な態度に腹を立てたのか、シュピーゲルは直ぐに目を逸らすと、前にたって歩き始めた。
リョウはただただ、それに続く……

――――

シュピーゲルに連れられリョウがやってきたのは、小さな射撃場のような場所だった。
頭に?マークを浮かべるリョウを無視して、シュピーゲルはズンズン奥へと進んでいく。そのまま奥に進むと、丁度人一人ならば楽々入れるだろう程度の大きさのカプセル型の機械が二つ、平行に並ぶように置かれていた。丁度その間辺りに有る機会にシュピーゲルは歩み寄る。

「なんだこれ?」
「VR空間で模擬戦闘をするための機械……って設定です」
「っはは。この世界でVRか。洒落が聞いてるぜ」
ようはそう言う設定で、実際には戦闘用の専用フィールドに送るシステムなのだろう。VR世界でVR世界に入る事になるとは思わなかったが。

「じゃ、そこに寝て下さい」
「おう」
両方のカプセルがプシュッと音を立てて開き、リョウは歩み寄る。

「ステージ設定はランダム。制限時間なし。ルールは全損決着モードです」
「了解了解。さっさと始めようや」
「……本当に勝つ気みたいですね」
「あたぼうよ」
シュピーゲルが呆れたようにに言う言葉を、リョウはニヤリと笑って返す。
そうして、二人がカプセルの中に入ると、それは音も無く閉じ……

「っ!」
強烈な青い光と共に、二人はどこぞへと転送された。

────


[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ