第二章
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「一番大事なのは何かっていうと」
「命ね」
「お金とか健康もね」
「やっぱり命あってこそよね」
「生きていてね、そうよね」
「やっぱりね」
二人でこんな話をした、それから数日後食品それも肉を扱う会社である私達が勤めている会社のビルの出入り口に抗議の団体が来た、何でもヴィーガンの団体らしい。肉を食べるなとか命を大事にしろとか言っている。
そんな人達を見てだ、私達はビルの中でどうしたものかと思っていると課長が何でもないといった声で言った。
「警察呼んだから」
「心配しなくていいですか」
「うん、無許可の抗議活動だからね」
若し会社の中に入ってきたらと心配していた私に笑顔で言ってくれた。
「警察呼んだから」
「警察が抑えてくれますか」
「ここは沖縄じゃないんだよ」
私に笑ってこうも言った。
「だからね」
「警察が何とかしてくれますか」
「すぐにね」
課長が言った傍から警察が来て実際に抗議している団体は全員連れて行かれた、暴れていたけれど流石に警察には勝てなかった。
こうして誰もいなくなったところで課長は私と友人に言った、それは私達がバーで話していたことと同じだった。
「命は命、動物も植物も同じだからね」
「お肉を食べるなとかですね」
「命を粗末にするなっていうのは間違いですね」
「お野菜も植物だから命があるよ」
ヴィーガンの人達はそうしたものだけを食べているけれどだ。
「だから同じだよ、好き嫌いはあってもね」
「誰もが命をいただいている」
「そうして生きていますね」
「そうだよ、そのことがわからないとね」
課長は残念そうに述べた。
「おかしくなるよ、しかも会社のお仕事で社員と家族、関係する人達の生活もかかっているから」
「だからですね」
「無闇にああしたことをしてはいけないですね」
「そう思うよ、主義主張はあるけれど」
その人それぞれにというのだ。
「他の考えの人を認めなかったり攻撃するのはね」
「お角違いですね」
「そうですね」
「そうだよ、命が大事であることは動物も植物も同じだよ」
課長は最後にこう言って自分の席に戻った、その課長を見て私達も仕事に戻った。命とは何かをあらためて考えさせられた時だった。
NECESSARY 完
2024・6・30
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