第11章
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夫婦に任せて、家を出てここにきたのよ 当時はこの周りもあんまり家が建って無くってね 寂しいとこだったわ その主人も20年以上前に逝っちまってね 定年を1週間後に控えていたのに、脳梗塞でね 年末で無理して仕事をしていたからー」
「大変だったんですねー 辛いお正月だったんだー ・・・ あのね ウチのお父さんも奈良の方の出身で、ご先祖様は筒井順慶の家来だったて言ってたわ」
「そうなんかい・・・ 筒井順慶ねぇ・・・」
「ねぇ 聞いて良い?」
「なぁに?」
「お子さんは? ご家族とか・・・」
「主人の実家とは、私等が出た後 連絡も取り合っていなかったし、私も妹が居たんだけど嫁ぎ先もわからないんだよー 実家ももう無くなってしまってね ・・・ 一人息子が居てね 報道していてシリァに潜り込んだらしいんだけど・・・主人が亡くなって、しばらくしたら 死んだって連絡が来て・・・」
「そうだったんですか 哀しいですね 私 そんなだって知らなくって・・・ごめんなさい 思い出させてしまって・・・」
「ううん いいのよ もう昔の話だし こうやって水澄ちゃんが来てくれて 楽しいわー ねぇ ゆっくりしていけるんでしょ 火鉢に炭入れるわ 久々にね お餅でも焼きながら 学校のお話 聞かせてよー 太子女学園でしょ? 朝 制服姿見かけるのよ 上品よねー 水澄ちゃん 運動もやってるんでしょ そのお話なんかも聞かせてちょうだいな」
「えぇー 炭 火鉢? 見たこと無い 楽しそー」
「ふふっ そう? 初めて? 水澄ちゃんって 私にもこんなに可愛らしい孫がいたらなって思えるわー これからも 時々 遊びにきてね 私は いつも時間を持て余してるんだからー」
その後、座敷に移って、おばぁちゃんは座敷用の低い椅子に座りながら、磯辺焼きにして海苔を巻いてくれた。奥の座敷には大きなお仏壇と床の間には木彫りの大きな布袋さん、50cmくらいの花鳥が描かれた絵皿が飾られていた。私は、学校での話とかクラブの話をしていたんだけど、おばぁちゃんは私が卓球をやっていることを知らなかったみたい。
「あっ 私 トレーニングと夕食の準備しなきゃー そろそろ お暇します」もう、3時を回っていたのだ。
「水澄ちゃん お夕食のお手伝いしてるの?」
「ええ 毎日 晩ご飯は私の担当なんです お母さん 働いているから」
「そうなの えらいわねー 毎日・・・ あなたは、外出会っても明るく ご挨拶してくれるし、家でも ちゃんとやってるのねー とっても 良い娘さんだわー」
そして、帰る時 「ちょっと 待って」と、奥から飾りを持ちだしてきて
「これね もう私 する機会もないから 水澄ちゃん 持ってて」と、真珠のネックレスとイァリングのセット。
「おば
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