第54話 =最後の決戦前=
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ルド流のあいさつしないのかよ」と冗談を言いながらエリュシデータ、ダークリパルサー、そしてランベントライト
をトレード欄に入れてまとめて渡す。渡された後、キリトの背中に黒と水色の剣が、アスナの腰には白い剣が装備された。
「ありがとね」
「それとリズからの伝言、「絶対生きて帰ってきなさいよ、皆で」だってさ」
「当たり前だ…こんなところで負けてなんかいられないさ」
キリトも決意は固いようだ。まぁ2週間で夫婦ラブラブ生活が終了したらあれだからな…
「よぉ!」
「あぅっ……なんだよ、クラインとエギルかよ…」
クラインに突然叩かれて変な声出しちゃったじゃないかよ…
「なんだとはなんだ。今回はえらい苦戦しそうだから、商売を投げ出して加勢に来たんじゃないか。この無視無欲の精神を理解
できないたぁ…」
「無視無欲って…冗談は頭だけにしとけよ……エギルは戦利品の分配はいらないそうだ。俺たちで分けちまおうぜ」
「い、いや…それはだなぁ…」
そのツルツル頭をかきながら情けなく口ごもるその語尾にその場にいた全員が笑った。その笑いはどんどん伝染していき、皆が
感じていた緊張がほぐれてきていたようだった。
そして午後1時、転移門が光りだしその中から真紅の鎧、そして巨大な盾を携えたヒースクリフさん、そして血盟騎士団の精鋭
たちが現れ、俺たちに再び緊張が走った。
「…欠員はいないようだな。状況は皆の知っている通り厳しい戦いになると思われるだろうが諸君の力なら切り抜けられると信
じている。……開放の日のために!!」
その声にうぉー!!と体格のいいプレイヤーが声をあげ賛同する。やっぱりすごいと思うけどこの人も本当にコアなネトゲプレイ
ヤーなのだろうか…というかゲームと無縁な生活をしてそうなんだけど…
「キリト君、リクヤ君。君たちの《二刀流》、存分に振るってくれたまえ」
「もちろん!」
キリトも無言でそれに頷く。ヒースクリフさんは再び集団に振り返り回廊結晶を取り出した。それに感嘆の声を出すがその正体
は希少だから、ではなくそれをあっさりと使うヒースクリフさんに対してだろう。その結晶で渦を創り出しその中へと真紅の鎧
を身に纏ったその体を翻し青い光の中へ足を踏み入れ、その次にぞろぞろと剣士たちが入っていく。
どうやらサチたちは先に入ったらしい。俺も追いかけないと……
「リクヤ…死ぬなよ!」
「お前もな、クライン」
互いに軽く拳と拳をぶつけ合い、健闘を祈る。クラインがその後に入り、キリトとアスナが手を繋ぎ入っていくのを見てからい
つの間にか集まっていたここに住んでいるプレイヤーに手を振りながら俺もその渦の中へと入った。
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