第三百七十九話 アンデスの地でその一
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第三百七十九話 アンデスの地で
ジュゼッペ=エチェニケはこの世界に来て最初に声からこの世界のこととこの世界での自分達のことを聞いてだった。
目を開いた、するとそこはリマ郊外であり。
傍の民家から丁度出て来た亀人の老人を見てだ、彼に問うた。
「少しええですか」
「何でしょうか」
「実はわしは今仕事も家もないですが」
「いや、あんた何者ですか」
老人はエチェニケのステータスを見て驚いて言った。
「普通じゃないです」
「はい、実は」
自分のことをだ、エチェニケは話した。すると老人は驚愕の顔になって話した。
「あの、星の方でしたら」
「それならですか」
「こんなところにおられても」
「意味はないですか」
「わしは女房と出店をやって暮らしていまして」
老人は自分のことも話した。
「丁度食材が切れて家にまで持ってきていました」
「そうだったのですか」
「はい、鶏肉を焼いて」
そうしてというのだ。
「売ってます、娘は二人いますが結婚して」
「お家を出られていますか」
「はい」
そうだというのだ。
「それで、です」
「お二人で暮らされていますか」
「今は」
そうだというのだ。
「そうしています」
「そうですか、それでわしはここではですか」
「やられることはあるかというと」
老人は考える顔で話した。
「まああると言えばです」
「ありますか」
「これから女房のところに行きますんで」
それでというのだ。
「女房と話をしますか」
「それでは」
エチェニケはそれならと頷いた、そうしてだった。
老人に案内されて出店に行った、老人は彼の妻である老婆にエチェニケのことを話すと老婆も彼を見てまずは驚いた、だが。
事情を聞いてだ、老婆は言った。
「何もされることがないですね」
「この世界に来たばかりで」
エチェニケは正直に答えた。
「ほんまに」
「それならです」
老婆は出店で鶏肉を焼く準備をしながら言った。
「自警団を立ち上げられては」
「自警団ですか」
「この辺りはあまり治安がよくなくて」
そうであってというのだ。
「警察もあまり来ないので」
「そやからですか」
「はい」
そうした状況だからだというのだ。
「ここはです」
「自警団を立ち上げて」
「そしてです」
そのうえでというのだ。
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