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金木犀の許嫁
第五十一話 自然の知識その五

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「そうかも知れないし」
「人気のない場所に一人で行くなっていうのは」
「夜道とかね」
「悪い妖怪に対してもであるのね」
「悪い人も悪い妖怪も一緒でしょ」
 真昼はこうも言った。
「悪いことするなら」
「そう、結局はね」
「人を襲ったりするなら」
「そう、そもそも日本も行方不明の人いるわね」
「一万人はいるのよね」
「毎年ね」
「結構多いわよね、その一万人の中に」
 夜空は青い顔になって言った。
「悪い人や悪い妖怪に襲われて」
「そうした人もいるかもね」
「何処かに売られたり埋められたり」
「消されたりとかね」
「あるのね」
「例えば通り魔に襲われて」
 真昼はここでは人も妖怪も同じにして話した。
「死体は埋められたらね」
「それで行方不明ね」
「山奥に埋めたりコンクリートに詰めて海に沈めたら」
「南港ね」
「そうしたことしたらね」
 そうすればというのだ。
「もうね」
「行方不明ね」
「こうしたら死体も滅多に見つからないでしょ」
「確かにね」
 夜空もそれはと頷いた。
「ヤクザ屋さんの世界じゃ結構あるのよね」
「死体をダムに入れたりね」
「そうよね」
「だからね」
 それでというのだ。
「行方不明の中にはね」
「そうしたこともあるから」
「夜道に一人歩きとか」
「寂しいところに一人行くとか」
「よくないのよ」
「人に襲われるかも知れなくて」
「妖怪にもね」
「悪い人と悪い妖怪ね」
 夜空はどちらもと話した。
「やっぱりね」
「いるからね」
「世の中には」
「女の子でなくて一人で変な場所には行かない」
「それが大事ね」
「そうよ。山でも海でも街でもね」
 まさに何処でもというのだ。
「特に怨霊がいそうな」
「そうした場所はね」
「近寄ったら駄目よ」
「怨霊は下手な悪い人や悪い妖怪より怖いわね」
「日本の歴史なんてね」
 自分達の国の話もした。
「どれだけ怨霊を怖がったから」
「京都とかそうした造りだしね」
「怨霊を恐れてよ」
「何重にも結界張ってるのよね」
「そうだしね、怨念は人を人でなくするから」
「妖怪にしても」
「もうとんでもない存在にするから」 
 俗に魔王と言う、日本では魔王は悪魔の君主ではなく人が怨霊となり国を脅かすまでの力を得た存在であるのだ。
「本当にね」
「怖いのね」
「そう、だからね」
 それでというのだ。
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