第4話 時間が進んで
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屋に足を踏み入れる。部屋には数人の、武偵が椅子に座っていた。クルトは長年のクセから、即座に全員の戦闘能力を把握しにかかった。
(全員が全員手練れってわけじゃなさそうだな。まともな念能力者はレズリーのジジイと、あのピンクツインテール…ってピンクの髪って随分とインパクトある女もいたもんだなって―――)
「お前かよアリア!!」
そう、集まった武偵達の中に、四年前の金髪から一転して、ピンク色の髪になったアリアがちょこんと座っていた。しかも碧眼も、赤紫(カメリア)色の瞳になっている。
「え!?クルト!?」
アリアもアリアで、四年振りに出会った知り合いに驚いている。
そんな中、クルトは再会の喜びも忘れて、アリアを凝視する。
「な、なによ…」
いきなり見つめられ、一気に顔を真っ赤にするアリア。
アリアにとって、クルトは初めて出来た友達であると同時に、初めてまともに接した同年代の異性でもある。意識するなと言う方が無理な話である。
「アリアお前グレたのか?」
「んなっ!?バカクルト!!そんなわけないでしょーがッ!!」
叫んだアリアは、手に持っていたボールペンを思いっきりブン投げた。いや、投擲した。先端がキチンとクルトを方を向いて飛んでくる。しかも顔面目掛けて。
だがクルトはそれを首を傾げる事によって難なく回避。頭の横を通過したボールペンは、壁に当たって落ちるかと思われた。
しかし。
ドスッッ!!
と、おおよそ有り得ない音を立てて、ボールペンが壁に突き刺さった。しかも先端がではない。根本を一センチ程残して後全部がである。
その出来事に、クルトと、レズリー以外の武偵は目を丸くしている。
「おいおい、いきなり“念”かよ…」
クルトは、アリアのとんでもない成長に、少しだけ冷や汗を流すのだった。
その後、落ち着いたアリアを席に着かせ、クルトも、アリアの横に座った。もちろん座る前には自己紹介も忘れなかった。
クルトが最後だったのか、着席すると同時に、レズリーが咳払いして、空気を変える。
「お主らに集まって貰ったのは他でもない。明日、ある犯罪組織の摘発を行う」
その言葉に、アリアの身体が少しだけ震えるのを、クルトは気付いた。いきなりの大仕事に緊張しているのだろう。
(まあ、Sランク武偵であるレズリーが出る必要があるレベルの組織が初めての相手ともなれば緊張もするか…)
当のクルトは一切の緊張をしていなかった。
そもそも、暗殺業を営んでいた時期は、二三度テロ組織の壊滅を依頼された事もある。そんなクルトだが、一つ、疑問があった。
「すいません」
だからその疑問を解消する為に手を挙げた。
「なんじゃ?」
「俺とアリア
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