第4話 時間が進んで
[1/4]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
あの後、クルトは数日間ロンドンに滞在した後、日本へと移動した。そして、そこで出会った遠山鐡と、遠山セツの元で修行を行った。
その二人は念能力者でもあり、クルトは念に関する修行も習い、自身の天才的才能を如何なく発揮し、僅か四年程の修行で、遠山家に伝わる武術を完全にマスターした。これには流石の鐡とセツも驚き、「とんでもない奴がおるのう」と唸ったのだった。
そんな修行も一応の終わりを迎え、十四歳となったクルトは、ロンドン武偵局に来ていた。
クルトは二週間程前に知ったのだが、クルトは最初からロンドン武偵局に戻ってくる事前提だったらしい。それも全てクルトの才能に目を付けたレズリーが、優秀な武偵を手に入れる為の画策であった。
(やっぱあの手のジジイは油断ならねえ…)
ロンドン武偵局を目の前にして、クルトはそんな愚痴を内心で零す。
本来なら文句の一つも言ってやりたい気持ちもあるが、今のクルトはそれよりも大事な事があった。
(アリアの奴元気にしてるかな?)
そう、四年前に出会ったアリアの事だった。
あの時は、日本に向かう数日間はずっとアリアと一緒にいたクルトは、アリアに色々な事を教えたし、色々な事を教えられた。
その結果、友達と呼べる程度の関係にはなったと、クルト自身はそう思っていた。
「よし、行くか」
そう小さく呟き、クルトはロンドン武偵局のドアを開けた。
昔来た時と変わらない内装に懐かしさを覚えながら、クルトは受付へと歩みを進める。
「すいません、クルト=ゾルディックですけどレズリー=ウィリスお願いできますか?」
受付のお姉さんにそう告げると、お姉さんは、少しだけ驚いたように目を見開いた。
「えっと、あなたがクルト=ゾルディック…さんですか?」
思わず「君」付けしそうになったのだろう。お姉さんは名前の後、少しだけ言葉を詰まらせた。
その事をあえてスルーして、クルトは次の言葉を待った。
「えっと、レズリーさんからお話は聞いています。こちらへどうぞ」
そう言って、お姉さんは立ち上がり、歩き出した。
いきなり案内された事に多少困惑するが、クルトは黙ってお姉さんの後ろを歩く。
エレベーターにのり、四階に移動。そして、フロアの奥にある一室に辿り着いた。するとお姉さんはすぐにドアをノックし、中の返事も待たずにドアを開けた。
「すいません。レズリーさん、クルト=ゾルディックさんをお連れしました」
「おお、来たか」
中から、レズリーの声が聞こえてくる。
四年前聞いたきりだったが、クルトの記憶力はその声を正確に記憶していたので、すぐにその声がレズリーだと分かった。
お姉さんが小さく「お入りください」と言ったのを合図に、クルトは部
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ