第三話 戦士達の集結その六
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「折角の正体だしね」
「そうですよね」
朧も同じ意見だった。
「これからは」
「すぐに行くぞ」
「はい」
鈴は架印の言葉に笑顔で応えた。
「甲子園に行けるなんて夢みたいです」
「その夢を逃してなるものか」
「阪神の歴史資料も観て」
「阪神の歴史も学びましょう」
翔真と黒洲も話す。
「甲子園に行くんですから」
「折角だから」
「もう蔦はないんだよね」
「はい」
黒蜜は沫悟に答えた。
「今は」
「けれど甲子園ならそれでもいいよ」
「じゃあ今から行きましょう」
桜も明るい顔で言った。
「聖地にね」
「ああ、まさかあそこに行けるなんてな」
りんねも信じられないといった顔である。
「想像もしていなかったわ」
「私もよ」
「そうだよな」
「けれど行けるなら」
「星野仙一さんだけじゃないわ」
瞳は強い声で言った。
「長い歴史の中の偉人の方々を見られるわ」
「そうだよな、じゃあ行こうな」
りんねは瞳にも応えた。
「甲子園にな」
「しかし何で呼ばれたのかしら」
乙女はそこが気になって言った。
「わからないわね」
「確かそうね」
「どうしてなんだ」
魂子と鯖男も思うことだった。
「それも面堂家、綾小路家に呼ばれるなんて」
「さっぱりわからないわね」
「何かしたかな」
「どうなのかな」
来兎も零不兎もわからなかった。
「皆呼ばれるなんて」
「何か悪いことしたかな」
「おい、何したんだ」
りんねは真っ先に自分の父に疑いの目を向けた。
「一体」
「いや、何もしていないよ」
「本当か?」
「俺どっちのお家とも接点ないから」
笑顔だが嘘を吐いている目ではなかった。
「だからね」
「嘘は吐いてないわね」
魂子はそのことをここでわかった。
「本当にないから」
「金持ちの家とはか」
「詐欺をしようにもね」
それでもというのだ。
「相手にされないし」
「それは何よりだな」
りんねは真顔で述べた。
「騙される人がいないってことはな」
「そうよね、まあ詐欺なんてしたら」
魂子は息子を見てこうも言った。
「お姉さん絶対に許さないけれどね」
「いや、もうしてるだろ」
りんねの言葉は容赦がなかった、それも一切。
「それも何度もな」
「そう言えばそうね」
「だろ?けれどどっちの家とも接点ないか」
「そのことは確かよ」
「だったらいいな、それじゃあな」
「ええ、今からね」
「招待受けてな」
面堂家と綾小路家のそれをというのだ。
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