第六章
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後
「買ってね」
「そのうえで」
「そう、そしてね」
それでというのだ。
「手に入れればいいよ」
「ならそうしような、ただ吸う場所は」
「限られるよ」
「今はね、じゃあ午後は依頼主の人が来るし」
「エチケットとしてね」
それでというのだ。
「ちゃんとだよ」
「空気清浄機で奇麗にしようか」
「そう、今はね」
それを使ってというのだ。
「奇麗にしよう」
「それじゃあね」
「そしてだよ」
ワトソンはさらに言った。
「依頼主の人が煙草嫌いでも」
「今の主流派の」
「気を悪くしない様にだよ」
「することだね」
「もう煙だけでね」
煙草自体を吸わずともというのだ。
「嫌がる人もいるし」
「臭いが嫌い、身体に悪いと言ってね」
「だからね」
それでというのだ。
「君が吸い終わったら」
「そうしたらだね」
「もうね」
その時はというのだ。
「空気清浄機をかけて」
「部屋の空気を奇麗にしようか」
「窓を開けてもいいけれど」
「寒いからね、今日は」
「冷えたお部屋でというのも」
依頼主を迎えるのもというのだ。
「マナーに反するし」
「それでだね」
「窓は閉じたまま」
そのうえでというのだ。
「空気清浄機をかけて」
「それでだね」
「依頼主の人を待とう」
「そうしよう、しかし僕のトレードマークがこうなるとは」
ホームズはパイプ片手に少し苦笑いになって述べた。
「あの頃誰が想像したかな」
「かつてはだね」
「そう、一体ね」
「世の中どうなるかわからないね」
「全くだよ、何もかもが変わるよ」
「推理もだね」
ワトソンは笑ってこちらもと言ってきた。
「君の」
「勿論だよ、僕自身は探偵のままでもね」
「考え方は同じでもね」
「知識が変わったよ」
こちらがというのだ。
「科学でもね」
「科学の常識も変わるしね」
「新たな発見なんて幾らでもある」
「それこそね」
「だからだよ」
「君の推理も変わったね」
「今ではパソコンやスマートフォンを使うし」
かつてと違ってというのだ。
「他にもだよ」
「インターネットもね」
「情報収集も変わった」
こちらもというのだ。
「メールも使う」
「手紙だけじゃなくて」
「この足で歩いて調べるにしても」
「移動に車も使う」
「本当に変わったよ」
かつてとはというのだ。
「僕もね」
「その通りだね」
「全く以て」
ホームズは話を続けた。
「世の中は変わってね」
「推理も変わるね」
「そうなるよ」
ワトソンがスイッチを入れた空気清浄機の動く音を聞きながら話した、彼のパイプの煙は急激になくなっていった。その状況を見つつ今は依頼主が来るのを待つのだった。
シャ
[8]前話 [1]次 最後
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ