第四章
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「これも食べよう」
「それではね」
「午後は依頼主が来る予定だ」
仕事もというのだ。
「帰ったらすぐにお昼にして」
「そしてだね」
「依頼主を待とう」
「それではね」
こうした話をしてバスに乗ってベーカー街の方に戻ってだった。
二人は事務所に入るとサンドイッチと牛乳それに林檎の昼食を食べた、ホームズは全て食べ終えるとだった。
食後の一服にパイプに煙草の葉を入れて火を点けた、そうして煙草の味を楽しみ煙を観つつ言った。
「全く、変わったよ」
「煙草のこともだね」
「昔は何でもなかったものが」
気兼ねなく気軽に吸えたがというのだ。
「こうしてだよ」
「難しくなったね」
「そうだよ」
実際にというのだ。
「世の中変わったけれど」
「変わって欲しくないものもある」
「その最たるものがだよ」
まさにというのだ。
「これだよ」
「煙草のことだね」
「そうだよ」
まさにというのだ。
「こちらだよ」
「世の中色々変わるが」
「常にね」
「水道が普通になり」
「ガスも電気も通ってね」
「ラジオにテレビも出た」
「そして電話も出た」
こちらもというのだ。
「勿論自動車もだよ」
「遂にはコンピューターだ」
「僕達が普通に使うまで小さくなった」
「そしてスマートフォンも出た」
「ロンドンにスモッグはなくなった」
「テムズ川も奇麗になった」
「いいことは多いが」
しかしというのだ。
「それでもだね」
「そう、いいことばかりでなくて」
「コカインは禁止になり」
「法律でね」
今はというのだ、そしてだった。
ホームズはパイプを手に取ってだ、白い煙をふう、と吹き出してからワトソンに対して語ったのだった。
「煙草もだよ」
「特にパイプで楽しむ」
「これがそうは出来なくなった」
「流石に法律で禁じられてないけれどね」
「随分吸いにくくなった」
こうワトソンに話した。
「今日に至ってはこの通りだよ」
「一苦労だった」
「そうだったよ」
まさにというのだ。
「どうしたものか」
「どうしたものかと言われても」
ワトソンはソファーで吸うホームズの向かい側に座って言葉を返した。
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