第二章
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「今ではそのパイプが」
「満足に吸えないね」
「信じられないよ」
ホームズは苦笑いでこうも言った。
「気軽に変えたパイプがだよ」
「今では買うのに探さないといけない」
「しかもパイプに入れる煙草も」
これもというのだ。
「そうはない、マッチなんて」
「そっちはあるだろう」
「ライターもね、しかし」
それがというのだ。
「煙草に使うなんてね」
「そんな人は減ったよ」
「そうだよ、変わったよ」
事務所の机で経理をしているワトソンに話した。
「煙草特にパイプで楽しむなんて」
「そうはだね」
「出来なくなったよ」
こう言ってぼやいた、そしてだった。
そのパイプに煙草を出そうとしたが。
「参った、どっちもないよ」
「パイプも煙草もかい」
「そういえば今朝もういい加減古くなってだよ」
それでというのだ。
「捨てたんだ」
「パイプをかい」
「もう長い間使っていて」
ワトソンに名残惜しそうに話した。
「それでだよ」
「寿命がきたんだね」
「そうだった、長い間よく働いてくれた」
ホームズは今度は名残惜しそうに言った。
「天国で会いたいね」
「それで煙草はどうしたんだい?」
「そちらはその今朝に吸ったのが最後だよ」
そちらはというのだ。
「もうないよ」
「それでそちらもない」
「そう、だからパイプで吸いたいなら」
煙草をというのだ。
「今から買いに行こう」
「そうしようか、丁度お昼だし」
「事務所には外出中と札をかけよう」
「そして昼食を食べて」
「パイプも煙草も買おう」
ワトソンと話して彼とだった。
ホームズは事務所を出た、そのうえで昼食を食べてパイプと煙草の葉を買うことにしたがそれがだった。
「もう扱っていないのかい」
「はい、煙草自体がです」
雑貨屋の店員がホームズに話した。
「吸う人が少なくなっていまして」
「巻き煙草もかい」
「そうです、そして」
そうであってというのだ。
「パイプで吸う人は本当におられなくて」
「扱わなくなったのかい」
「申し訳ありません」
「それなら仕方ない、別のお店に行くよ」
「確実にあるお店はあるかな」
ワトソンは店員に尋ねた。
「出来れば葉の方もね」
「それでは」
店員はワトソンにそれならと応えた、そしてだった。
ある店を案内してくれた、そこはというと。
「随分遠いな」
「バスで行こうか」
ワトソンはその店の場所を聞いて曇った顔になったホームズに提案した。
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