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シャーロック=ホームズの悩み
第一章

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                シャーロック=ホームズの悩み
 シャーロック=ホームズの事務所はロンドンのベーカー街にある、このことはあまりにも有名なことだが。
 彼は今助手のワトソンにだ、曇った顔でぼやいていた。
「幸い仕事が途切れずね」
「収入には困ていないね」
「ここの家賃も足りていてね」
 事務所のというのだ。
「アパートの方もだよ」
「僕達は生活は困っていないよ」
「よくこうした時は家賃のお話になるが」
「お金のね」
「本当に幸いにだよ」
 ホームズは事務所のソファーに座りつつ話した。
「お金には困っていないよ」
「有り難いことだね」
「しかし世の中難しいものだよ」
 ホームズは雲った顔のまま言った。
「お金のことで困っていなくてもね」
「他のことで困るものだ」
「ロンドンはスモッグがなくなった」
 それで有名な街だったがというのだ。
「純粋な霧になった」
「霧の都は健在だよ」
「霧のロンドンエアポート」
「そうも言うね」
「風情はある、しかもだよ」
 ホームズはさらに言った。
「テレビもあればパソコンもある」
「君もパソコンは得意だね」
「科学にまつわることなら」
 それならというのだ。
「もうだよ」
「君は得意だね」
「僕の推理はまず科学だ」
 ホームズは言い切った。
「科学あってこそだよ」
「君の推理は成り立つ」
「だからパソコンもスマートフォンもだよ」 
 どちらもというのだ。
「僕は使いこなせる」
「そうだね」
「しかし」
 それでもというのだ。
「世の中は変わった、昔はコカインをやっても」
「特に言われなかった」
「あの頃はやり過ぎるなと言われた位だったが」 
 それがというのだ。
「今ではだよ」
「全面的に禁止だね」
「麻薬に厳しくなった」
「昔は阿片も吸えたね」
「イギリスでも合法的にね」
「そうだったね」
 ワトソンもまさにと応えた。
「そうだったね」
「昔はね」
「しかしね」
 それがというのだ。
「今は違う」
「昔は昔で」
「コカインは吸えなくなって」
 そうなりというのだ。
「煙草さえだよ」
「気軽に吸えなくなったよ」
「僕と言えば」
 ホームズは自分のことを話した。
「このタートンチェックの服だよ」
「帽子とコートでね」
「そしてパイプだったのが」
 それがというのだ。
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