第三話 少女
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た、彼女が向かったと言われる東の森に向かう。
『んー。今日はあまり材料がとれなかったな。そろそろ戻らないと』
森の中心部にいたのは、右手に弓を持った小柄な少女。
名はエリス。
背中まで流れる綺麗な金の髪を持つ。
食べ物の材料を探していたのだが、汚染の影響もあり、日々採れる材料も少なくなっている。
『どうしよう、戻ろうと思ったけど、せっかくだしもう少し奥まで行ってみようかな』
一方、森の入口についたアッシュは思わず上を見上げた。
そして、口を開く。
『おいおい嘘だろ?女の子が一人で来るところにしては危険すぎるだろ』
同時に、嫌な予感もした。
そしてそれは、親友ジェイルの死を思い出させる。
『ジェイル・・・なんで、一人で先に逝っちまったんだよ。俺は信用されてなかったのか?
俺は、ずっとお前を信じてきたのに・・・』
そう呟くと、アッシュは森の中に足を踏み入れた。
もう二度と、目の前で誰かの死を見るのは嫌だった。
その気持ちだけが、アッシュを加速させる。
森の最新部に辿りついたエリス。
軽く周囲を見渡すが、魔物はいない。
一瞬安堵する・・・しかし、
『グォオオオオオ』
周りの木々が揺れるほどの咆吼が、どこからか聴こえ出す。
エリスは思わず弓を構える。
すると前方に、汚染された大気が一箇所に集まっていることに気付く。
しかもそれは、今までにないほどの大きさだ。
『これはっ』
大気が魔物の形を形成する。
だがそれは、今ままで見たことのない形だった。
エリスは思わず口を開く。
『まさか、ドラゴンゾンビ!?今まで全く見なかったのに・・・』
竜の形をした巨大な魔物が、エリスの前に姿を見せる。
ドラゴンは大きく腕をなぎ払い、エリスに容赦なく襲いかかる。
『速い・・・!』
間一髪で避けたものの、その衝撃の余波で彼女は地面に転倒してしまう。
エリスは一瞬で体勢を崩され、攻撃を止められる。
立ち上がろうとするも、既にドラゴンの爪が彼女の側まで迫っていた。
間に合わないことに気付いたエリスは、思わず目を閉じて死を覚悟する。
だが、
『ガァアアアア!?』
魔物の攻撃を受けていないことに気付いたエリスは、静かに瞳を開けた。
そこに写っていたのは、右腕をなにかで切断され、怒り叫ぶドラゴン。
そして―
『なんとか間に合ったな。エリス、だっけ?怪我はないか?』
赤髪の若い剣士・・・そう、自分が村まで運び、手当てをした青年の姿だった。
『あなた、どうして私の名前を・・・』
『ここ来る途中で村のオッサンから大体話は聞いたからな。それより話は後だ。
先にこいつをぶっ飛ばす』
『ぶっ飛ばすって・・
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