第三話 少女
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れるのですか?ボルテックさん』
ルージュは笑顔でそう言った。
対するシュラネスも、ボルテックの出陣には特に反論はなかった。
『好きにしろ。では解散だ』
シュラネスはそれだけを言い残し、その場を去った。
ボルテック、アシュレン、スカーレットの3人は各騎士団と合流するなか、
ルージュは一人、無人の通路を歩き、そしてあの時言えなかった驚愕の内容を口にする。
『あのシュラネス様に傷が・・・。掠り傷とはいえ、一体誰が』
ルージュには分かっていた。
ローブで実際には見えていないが、彼だけはそれを見抜いていた。
そして、アッシュが生きているのは彼の力不足ではなく、あえて生かした
ということも、ルージュには分かっていた。
生かした・・・つまり、アッシュに対して何かしらの期待を持った可能性が高い。
『だが、ボルテックさんに勝てないようなら、僕の出る幕はない。どれほどのものか、
お手並み拝見させて貰うよ』
ボルテックの実力を知っているルージュ。
彼が負けるとは思えない。
だが、この日からルージュはアッシュに対して興味を持ち始める。
恐るべきルージュの先見性。
ボルテックの勝利を思うその反面、どこかで彼との戦いを楽しみにしていた。
※※※※※
【お前では何も変えられん】
うるせえ・・・
【ここまでが限界だ】
黙れ・・・
【お前の風は脆い】
黙れって言ってんだろ!!
男が目を覚ますと、そこは無人の民家。
汚染の影響で造りはしっかりしていないものの、中は非常に整理されており、綺麗だ。
『ここは?確か俺はあの時、アイツと戦ってて・・・っ!?』
まだ傷は完全に癒えていないのか、一瞬頭痛が起きる。
右手で頭を押さえながら、
『誰かが俺を助けてくれたのか?ならこうしちゃいられない、その人に礼を言わないと』
ベッドから起き、アッシュは自分の剣を片手に、家を出る。
自分を助けてくれた人を探すために。
だが家を出たとたん、彼は凍りついたようにその場に立ち尽くした。
行き交う人々も、周りの景色も、雰囲気も、なにもかもが自分の知らないものだった。
腐敗都市ダーティスの中にはあるが、初めて踏み込む街に、どう探せばいいのか分からない。
その時、一人の男性がアッシュに気付き、話かける。
『おーお前さん、やっと目が覚めたのか』
『あの、俺をここまで運んでくれた人を探しているんですが・・・』
『あぁ、エリスちゃんのことだな。彼女ならついさっき、ここを東に抜けた先の森に
向かってったよ。会ったらちゃんと礼を言うんだな』
男の話を聞いた限りでは、グランドクロスからここまで運んでくれたのは女の子だ。
意外な事実に驚くも、アッシュもま
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