第七百八十五話 壊血病その一
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壊血病
ペリーヌは三人に壊血病について話した。
「ビタミン摂らないとね」
「そうそう、なるからね」
「さっきちょっとお話したけれど」
スターリングと蝉玉が応えた。
「壊血病ってなるのよね」
「身体がだるくなってね」
「歯茎が腫れて歯も抜けて」
「身体がむくんで」
「そのうち身体が動かなくなって」
「死ぬんだよね」
二人で壊血病の症状について話した。
「ビタミンCだってね」
「脚気はビタミンB1で」
「ビタミンCは柑橘類に入ってるから」
「オレンジとかレモンとかライムに」
「キーウィにはかなり入っていて」
「お茶やキャベツにもね」
「だからね」
ペリーヌはそれでと話した。
「後でクックさんが壊血病対策でね」
「ザワークラフト船に入れて」
「お酒にライムのお汁入れて飲む様にしたのよね」
「ザワークラフトはビタミンそのままあるし」
「ライムにはかなりあるから」
「そうしたのよ、鄭和さんなんか」
ペリーヌは今度は中国の大船団を率いた提督の話をした、宦官で倭寇と戦った明初期の人物である。
「何でも船の甲板の上に畑もうけて」
「それで野菜育てて」
「それを食べてたのよね」
「物凄く大きな船が大勢で船団組んで」
「大航海したけれど」
「その資料が見付かったけれど」
鄭和の航海について書かれた文献がだ、これは明に紛失しており当時の宦官と対立していた高官が焼き捨てたとさえ言われていた。
「そういうこともしてね」
「航海していたんだね」
「そうよね」
「けれど欧州にはそんなのなくて」
「普通に壊血病になってたのよ」
「あいつ等馬鹿だし」
ペリーヌは極めてナチュラルに連合市民の中で共通しているエウロパへの偏見を出し誰もそれを偏見と思わなかった。
「そんなこともね」
「知らなかったからね」
「普通に壊血病になってたのよ」
「そう、それでね」
そうであってというのだ。
「海賊も大航海時代の船乗りも」
「凄い死んだんだよね」
「壊血病で」
「壊血病が職業病で」
海賊、欧州の彼等はというのだ。
「それでね」
「どんどん死んで」
「明日も知れなかったのよね」
「何しろ食べものなんて」
「大航海時代の船乗りもね」
「碌なものなかったのよね」
「岩みたいなパンと」
あまりにも固いそれとだ。
「とんでもなく塩辛い塩漬けのお魚とかお肉」
「それもどれも蛆が湧いている」
トムはこのことを言い加えた。
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