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世界の礎
第四話 海その五

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「様々な工夫を凝らしてな」
「攻めるのですね」
「そうだ、だが」
「だがとは」
「攻めるのなら大軍を用いることだ」
 そうして攻めよというのだ。
「今もそうだがな」
「二万の兵を用いています」
 イシュが言ってきた。
「そうしています」
「あの街の民の数も二万だ」
「兵は今は三千です」
「三千と二万ではな」 
 その軍の規模の違いはというのだ。
「かなりだな」
「はい、確かに」
「相手は城壁や門、堀を頼りに守るしな」
「その守りも考えますと」
「大軍でないとだ」
 そうでなければというのだ。
「攻めないとだ」
「ならないですね」
「そうだ」
「だからこそ常にですね」
「大軍を擁してだ」
「攻めるのですね」
「そうしているのだ、そしてだ」
 さらにだった、義青は話した。
「街なら囲む、そこで圧倒的な数を見せてだ」
「敵が降るなら」
「それでよしだ、しかしな」
「降らないならですね」
「今の様に攻めることだ」 
 そうするというのだ。
「そしてだ」
「今から攻めますね」
「そうするのだ、いいな」
「それでは」
「攻めるぞ」
「わかりました」
 イシュは確かな顔と声で頷いた、そして義青の言う通り地下に穴を掘ってそのうえで攻めるとであった。
 城内に敵が入ったことに驚いた敵は少し戦うと敗れて義青の降伏勧告を受け入れた、すると義青は街の誰も殺さずだ。
 彼等を領土に加えた、街の主である貴族もだった。
「殺さずですね」
「そのままだ」
 コムに話した。
「何度も言うが敵でもな」
「自国の民としますね」
「みだりには殺さない」
 決してというのだ。
「敵であった者達でもな」
「そして治めるのですね」
「これまでそうしたしな」
「この街もですね」
「同じだ、降ったらならだ」
 それならというのだ。
「もうだ」
「民ですね」
「兵もな、ただ奴隷はな」
 彼等はというと。
「平民とする」
「そこは絶対ですね」
「奴隷が不要な社会にはしている」
 帝国はというのだ。
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