暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
XV編
第239話:二兎を得ても一兎を得られず
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状態ではない事の表れでもあった。しかし退く訳にはいかないのはメデューサも同じ。こちらはダイレクトに命が掛かっている為、必死さが翼達とはベクトルが違った。

「邪魔を、するなッ!」

 2人を魔法で追い払おうとするメデューサだったが、それよりも早くにワイズマンが彼女に助け舟を出し魔法の電撃で立ち塞がる2人を薙ぎ払った。

「フンッ……」
〈ライトニング、ナーウ〉
「うわぁぁぁぁぁっ!?」
「きゃぁぁぁっ!?」

「「「「マリア(姉さん)ッ!?」」」」

「テメェ、先輩をよくもッ!」

 薙ぎ払われシャトーの屋根の上に叩き付けられた2人は、その衝撃と電撃の威力にシンフォギアが解除されてしまった。2人がやられた事に激昂したクリスがアームドギアのボウガンを構えようとするが、それより早くにクリスに肉薄したワイズマンは彼女の両手を掴んで動きを止めさせると捻り上げて持ち上げた上で真下に叩き付けた。

「あぁぁぁぁっ!?」
「フンッ!」
「が、ふっ!?」
「クリスッ!?」

 真下に叩き付けられたクリスの姿に、透が助太刀に入ろうと剣を手にワイズマンに飛び掛かろうとする。だが彼の動きは、ワイズマンが足元のクリスの腹を足で踏み付け光刃を首筋に突き付けた事で止めざるを得なくなる。

「うぐぅっ!?」
「クリスッ!? や、止めろッ!」
「そこでジッとしていれば、考えなくもないよ? ただし少しでも動けば……分かっているね?」

 ワイズマンが少し体重を掛ければ、光刃は容易くクリスの喉笛を貫く。そうすれば彼女の命はないし、よしんば命が助かったとしても喉を傷付けられては彼女の歌声は失われる。アリスであれば治療も難しくはないだろうが、自分と同じ苦しみをクリスに一時でも味合ってほしくはないと言うのが透の気持であった。

 それは他の装者達も同じ気持ちであり、これでワイズマンは完全にこの場を掌握してしまっていた。

「何て、卑怯な……!」
「流石悪い魔法使いデスッ!」
「誉め言葉と、受け取っておこう。さぁ、今の内だメデューサ」
「はい、ワイズマン様」

 颯人達が動かなくなったのを見て、メデューサが未来を連れて行こうとする。クリスは腹を踏みつけられる苦しみに耐えながら、自分の事は構わずメデューサを止め未来を助ける事を優先させた。

「ア、アタシの事は気にするな……! それより、それよりアイツを……!」
「君には悲鳴の方が似合うんじゃないかな?」

 しかしクリスの言葉は、痛めつける様に踏み付ける力を強めたワイズマンにより中断させられた。

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッ!?」
「クリスちゃんッ!? 止めてッ!?」
「止めてくださいワイズマンッ!? これ以上クリスにはッ!?」

 響き渡るクリスの悲
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