暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
XV編
第239話:二兎を得ても一兎を得られず
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のである事に気付いた。

「どうした、クリスちゃん?」
「覚えてねえか? 前にフロンティアで、こいつが操られた時の事をッ! 多分今着けてるのは、その時と同じ奴だ!」

 こうなると話が大分面倒臭くなる。今の未来は二重の意味で支配された状態と言う事になるからだ。

 一つは、細かいところは良く分らないがとにかく顕現した神の力の影響によるもの。そこに意志の様な物が封印されていたのかは分からないが、とにかく未来が彼女らしからぬ言動をしているのは間違いなく神の力が影響を及ぼしている。

 そしてもう一つがダイレクトフィードバックシステム。こちらは以前颯人達も対処したが、正直に言ってあれの攻略法もかなり博打の要素が強かった。何よりも厄介なのは、無理矢理外してハイお終い、とはいかない所である。
 以前は未来が纏っていた神獣鏡の光を彼女自身に響諸共浴びせる事で装置だけを除去する事が出来た。だが今回も上手くいくかどうか…………

「とりあえず、これ以上暴れたりしないように押さえつけるのが先決だな」
「押さえつけて、どうするデスか?」
「母さんに見せる。それに、ウェルの野郎の力も借りれば、装置だけなら何とかなるだろ」

 最初のダイレクトフィードバックシステムを使用したのはウェル博士だ。彼なら何らかの知恵を借りれるだろう。もし渋ればまた後の彼に関する英雄伝説を面白おかしく脚色する事をチラつかせればいい。

 そう思いながら颯人がバインドの魔法で未来を拘束しようと足を一歩前に踏み出した瞬間、転移魔法で未来の傍に姿を現したワイズマンが彼に赤い光刃を振るった。

「ハッ!」
「な、ガハァァッ!?」
「颯人さんッ!?」
「貴様は、ワイズマンッ!」

 突如姿を現したのはワイズマン。その傍には何処か辛そうな様子で膝をついているメデューサの姿もあった。メデューサの方はつい先程まで戦闘をしていたのか、身に纏っているメイジの鎧があちこち傷だらけとなっている。

「はぁ……はぁ……」
「ふむ、システムも良い感じに機能しているようだな。これで、あの老人も満足するだろう。メデューサ、連れて行っておけ」
「は、はい……ワイズマン様……」

 既に大分疲労困憊した様子のメデューサだったが、彼女はワイズマンからの命令に逆らわず頭を抱えて苦しんでいる未来の手を取り何処かへと向かおうとする。その前に翼とマリアが立ち塞がった。

「待てメデューサッ!」
「その子は置いて行ってもらうわよッ!」
「チッ!?」

 まぁこのまま未来を目の前で連れていかれるのを黙って見ている彼女らではないとメデューサも分かってはいた。見た所エクスドライブとは言え翼達もあちこちがボロボロだ。それだけ顕現したシェム・ハの力との戦いは激しく、彼女達自身も消耗し万全の
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