七話 世界樹の下で(後編)
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自爆戦術。
古来から、自軍の勝ちの目が潰えた時、東西問わず行われてきたその戦法が、多くの人類史の積み重ねの果てに人類が宇宙に進出したこのコズミック・イラでも起ころうとしていた。
『サイクロプス』と銘打たれた、元は月面上の凍結を解消するための道具が、兵器化され、大型の艦艇に詰められゆっくりと進んでいく。
だが、『誰もそれに気づかない』
核兵器
ニュートロンジャマー
モビルアーマー
モビルスーツ
戦いは続けば続くほど、お互いを上回ろうと兵器を発展させ、その結果を相手にぶつける。
そしてまた、憎悪の螺旋は続く。
『ミラージュコロイド・ステルス』
原理としては可視光線や電磁波を偏向するミラージュコロイドの技術を利用した物体のステルスである。
未完成なそれを、地球連合はダウンサイジングを諦め、また未完成なステルスを補うためスラスターで慣性移動することで戦場で運用していた。
世界樹の目の前、キー付きのスイッチを眼の前にした将官が二人、ほくそ笑む。
「なんとか間に合いましたな」
「コーディネーターの戦力化にナチュラル向けのモビルスーツの開発、口惜しいですがアズラエルの若造はまた、株を上げて発言力を増した」
「だが、ガンダムシリーズは所詮個人運用の兵器」
「戦略的な観点では、まだまだ決定力のない兵器よ」
規定の位置に『サイクロプス』が来たことを、アラームが知らせる。
戦場で戦う両軍の殆どがしらないそれは、二人の将官が捻ったキーとスイッチで起動した。
その少し前、ジョン達ケルベロス部隊は、不可思議な命令に首を捻っていた。
「実験部隊は一旦母艦ごと世界樹コロニー防護のため帰還。は分からなくもないが、残存モビルアーマーまで全集結とはどういう訳だ。しかも、かなり距離は離したとはいえ、世界樹コロニーの前方に集結とは。」
図式にすると世界樹コロニー→司令官クラス艦艇→
ケルベロス部隊&ソキウス部隊→エース部隊(MA)
→かなり離れた位置に横一列に並ぶ一般MAである。
正直、意味不明だ。
未だ運用が完全に定まっている訳ではないが、モビルスーツもモビルアーマーも、機動力を生かした戦闘運用が基本だ。
モビルアーマー1機で勝てない敵には数機で当たれ、というのは間違いではないのだが。現状、ジン1機に通常のパイロットのメビウスが5機以上破壊されている。
ならばこの場合はエースパイロットのメビウスや我々モビルスーツ部隊が相手を撹乱し、補助火力を一般MAが勤めた方が被害は少なくなる。
なのに、何故か綺麗に分けて配置。
更には……
(この配置の謎一つ目、敵はコロニー世界樹の『奪取』が戦闘目標ではないのに、固まった配置)
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