第五十話 汗水流してその九
[8]前話 [2]次話
「そうです、食後すぐに激しい運動をすることはです」
「しない方がいいですね」
「はい」
白華にその通りだと話した。
「やはり」
「そうですよね」
「確かに食後の鍛錬もいいですが」
「それでもですね」
「水泳やランニングの様な激しい運動は」
そういったものはというと。
「三十分は時間を置いて」
「そうしてですね」
「そしてです」
そのうえでというのだ。
「行うことです」
「そうですね」
「これが素振り位ならいいです」
「剣道や野球の」
「山縣有朋さんもそうでした」
明治の元勲の一人であり絶大な権勢を誇った人物である、ただ自身はあくまで自分のことを一介の武辺と言っていた。
「食後必ず鍛錬をしていました」
「そうだったんですか」
「毎日乾布摩擦を行い」
そうしてというのだ。
「槍の鍛錬を欠かしていませんでした」
「それで食後ですか」
「常にです」
まさにというのだ。
「三食後欠かさず」
「行っていて」
「健康でした」
「長生きされましたね」
「色々言われている人ですが」
汚職に謀略とだ、そうしたことにより長い間評判が悪かった。
「私生活は禁欲的でした」
「鍛錬を欠かさず」
「食事も節制していまして」
かなりの粗食だったと言われている。
「住んでいるお家やお庭はいいですが」
「質素だったんですね」
「汚職や権勢や陰謀のお話は絶えませんでしたが」
これは生前からのことだ。
「ご自身はです」
「質素だったんですね」
「汚職はしても政治資金で」
そちらに回していたのだ。
「贅沢はしなかったです」
「割り切った人だったんですね」
「そして常にです」
それこそ人生の最後までだ。
「食後の槍の鍛錬は欠かしませんでした」
「そうだったんですね」
「ですがそはあくまで槍の鍛錬で」
そうであってというのだ。
「水泳やランニングはかなり激しい運動なので」
「食後すぐはですね」
「すべきでないです」
「そうですか」
「ですから今はです」
「時間を置くことですね」
「遊びまして」
そうしてというのだ。
「時間を過ごしましょう」
「わかりました」
白華は確かな顔と声で頷いた、そしてだった。
五人で実際に三十分程遊んだ、そのうえで。
真昼も入れてまた四人で一時間程泳いだ、平泳ぎでそうしたがずっと浮き輪に浮かんで見ていた夜空は。
泳ぎ終わった佐京にだ、こう言った。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ