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鋼殻のレギオス 三人目の赤ん坊になりま……ゑ?
第一章 グレンダン編
シキという武芸者
知り合いは選べない【微リメイク】
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は、シキは覚えている。しかしリーリンは首を振りながらこういった。

「ルイメイ様が食べる量が足りないんだって」
「ホント、あのおっさん一度殴り合いしたほうがいいよな?」

 こめかみをピクピクしながらシキはニコニコ笑う。リーリンとクララが揃って動きを止めて冷や汗を書く。シキが本気で怒ったときはニッコリと笑う時だと知っているからだ。よく見ると目が笑っていないのがものすごく怖い。

「……まぁいいや、で? 足りない食材はどのくらいあるの」
「あぁ、レイフォンにも買い出しに行かせたからね。えーと……」

 リーリンが言った食材の量を聞いて、グレンダンにシキの怒鳴り声が響き渡った。


「おっさん、この豚肉痛んでるからちょっと安くしてよ」
「か、勘弁してくれぇ!」

 そして少しでも安くするために、シキは所々に文句をつけながら食材を買う。シキが担当しているのは肉である。適当な店に入っては値下げ交渉をしているし、武芸者の優れた視力でダメ出しをしていくものだから、肉屋にとっては堪ったものではなかった。
 結局、シキとの駆け引きに負けた肉屋が大幅な値下げをして買い物が終わった。ホクホク顔のシキと青い顔で伝票を打っている店員。これ以降、シキは悪魔の少女としてグレンダンの肉屋に語り継がれることになるが、そんなもの関係ないように値下げ交渉をするシキの姿がなかったりあったり……閑話休題。
 買い物をして大分すっきりしたシキ、だがこの出費で大会などの賞金が消し飛んだのであんまり喜びたくないというのが本音である。だが、お祝いということで目をつぶることにする。

「ん? なんだシキじゃないか」
「……うげぇ」

 シキは心底嫌な顔をしながら、前から声をかけてきた青年を見る。
 長い銀髪を後ろで結び、顔に見える微笑は女性を魅了することだろう、そしてその服の上からでもわかる鍛え上げられた身体、感嘆するほど美しい美青年だが、実態はクララ同様、あるいはそれ以上の戦闘狂いである。

「そんなに嫌な顔をしないでくれよ。さすがの僕でも傷つくよ?」
「白々しい、というかいつぞやみたいに外縁部までふっ飛ばしますよ?」
「出来ればもう一度戦いたいね。油断していたとしても、この僕と一時とはいえ拮抗したんだからね」
「……サヴァリスさん」

 サヴァリスとシキは同時に臨戦態勢に入る。身体中に剄を巡らせ、即座に動けるように身体を温める。
 言っても無駄なのは長い付き合いでわかっているし、逃げても追いかけられるだけだ。
サヴァリス・クォルラフィン・ルッケンス、最年少の13歳で天剣授受者になった男であり、シキがもっとも嫌っている人間で、今まで戦った中でもっとも危険だと思う人物である。

「いいね、さすがはシキだ。九歳だとは思えないよ」
「サヴァ
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