第一章
[2]次話
結婚していてもイケメンなら
サラリーマンの内藤正伸は細面で色白で切れ長の涼し気な目鼻立ちを持っている、奇麗な黒髪をセットしていて長身で痩せている。
彼を見てだ、多くの新入社員が言った。
「凄い美形ね」
「イケメンよね」
「宝塚の男役の人みたい」
「男装の麗人が男の人になったみたい」
「物凄い奇麗な人ね」
こう言う、だが。
彼のその話を聞いてだ、まずは絶望した。
「えっ、結婚してるの」
「あの人そうなの」
「入社してすぐに」
「学生時代から付き合っていた人と」
「それでお子さんおられるの」
「もう三人も」
「男の子三人って」
このことに驚いた、だが。
それでもとだ、彼女達は話した。
「それでもね」
「イケメンだしね」
「やっぱりいいわよね」
「紳士で穏やかだし」
「怒ることなんてないし」
「しかもお仕事も出来るしね」
こう言ってだった。
相変わらず応援し続けた、社内で非公式のファンクラブさえ出来る程でしかもさらに会社の取引先でもだった。
「内藤さん美形よね」
「そこにおられるだけで華があるわね」
「ハリウッドでも通用するわ」
「背が高いからモデルもいけそう」
「スタイルもいいし」
「ポイント高いわね」
こう話した、兎角だった。
内藤は女性から人気があった、だが本人は。
難しい顔になってだ、ある日上司に一緒に飲みつつ言った。
「あの、僕結婚していて」
「お子さんもいるな」
「三人も。そうしたです」
「所帯あってね」
「異性に興味があると言っても」
「奥さんだけだね」
「浮気なんてとんでもないというか」
彼は言った。
「そこまでの体力ないです」
「浮気も体力必要だしね」
「家庭に仕事に」
「日課で趣味の一つのジム通いでね」
「元々浮気しようって性分でもなくて」
「遊ばないね」
「飲むにしましても」
今の様にだ。
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