第63話
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親方…………」
ジスカール技術長の正論と喝によって何も答えられず息を飲み、その様子をカトルは驚きの表情で見守っていた。ジスカール技術長の喝によって肩を落として考え込んでいたタウゼントCEOは表情を引き締めてある決意をした。
「…………わかった。私が知っていることを話そう。くれぐれも他言無用でお願いしたい。」
「その…………裏解決屋(私達)にも守秘義務はあります。こちらの株主である公国との契約である以上、その辺りは信用していただけると。」
「ま、ヴェルヌに”貸し”を作れるのもこちらとしちゃ損じゃありませんしね。」
タウゼントCEOの要請に対してアニエスとヴァンはそれぞれ答えた。
「くっ…………キャラハン教授の様子が変わったのはここ1,2年ほどだ。カルバード両州軍からの”次世代兵器”刷新の依頼――――――長年、彼が引き受けてきた分野のコンペでクロンカイト教授に敗れた辺りからだろう。」
「…………っ…………」
「…………やっぱり、そういう事なんですね〜。」
タウゼントCEOの話を聞いたカトルは息を飲み、エスメレー准教授は複雑そうな表情で呟いた。
「以来、彼は取り憑かれたように独自の研究を進み始めた。内容は知らないが、相当な設備投資と人的資源を必要とする何らかの研究…………やがて彼は外部スポンサーを手当たり次第に当たるようになってな。そして、半年前に”アンカーヴィル商会”なるところが破格の投資を申し出たと耳にしている。」
「その名前は…………」
「…………そちらの情報網に引っかかっていた名前か。」
「まさか煌都と同じパターンかよ?」
タウゼントCEOの口から語られたある商会に反応したリゼットの様子を見たヴァンは事情を察し、アーロンは煌都の件を思い返してリゼットに確認した。
「ええ、アンカーヴィル商会――――――あの”メッセルダム商事”と同じく彼らのダミー会社の一つと目されています。」
「…………!」
「彼ら…………?」
「…………とあるマフィアの事です。”アルマータ”―――――ギルドや警察が最もマークしている。」
リゼットの答えを聞いてアルマータが関わっている事を察したフェリが表情を引き締めている中事情を知らないカトルにアニエスが説明した。
「な…………!?」
「そ、そんなのとキャラハン教授が〜…………!?」
「…………噂くらいは聞いたことあるな。近頃縄張りを広げてるみてぇだが………チッ、よりにもよってそんなのを見過ごしてたってのか!?」
アニエスの説明を聞いてマフィアの中でも相当危険なマフィアがキャラハン教授と関わっている事にカトルとエスメレー准教授は驚き、重々しい口調で呟いたジスカール技術長は
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