六話
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せるぞ!」
――――口寄せ・土遁・追牙の術!
巻物を地面に叩きつける様にして押し付けると、巻物から飛び出た複数の何かが地面の中へと潜っていく。そして、カカシの行動はまだ終わらない。すぐさま次の印を組み始め、完成させる。
――――風遁・大突破!
普通の風程度では飛ばされる霧も、同じくチャクラを含む風なら話は別だ。再不斬の忍術によって発生した霧は、跡形もなく吹き飛ばされた。
「カカシィ!」
突然のカカシの発言。それはお前等眼中にないと言われるに等しかった。確かに、再不斬もあの強大なチャクラを感じ取っていた。だが、だからといって自分をそのように扱われるなど我慢がならない。
ここにきて再不斬は、怒りのあまり真正面からカカシに斬りかかった。周囲へ、注意を測ることもなく。
「な、にぃ!?」
そして、それは致命的だった。怒りに我を忘れていなければ、気付けただろう地下からの襲撃。再不斬はそれをかわすこともできず、大小様々な八匹の忍犬の全身を噛まれその場から動くことができなくなる。
「これで最後だ」
カカシの右腕に、蒼い雷が宿る。これこそ、カカシの写輪眼に並ぶもう一つの代名詞。その術の名を、”雷切”。
破壊の右手を携え、カカシは再不斬へと疾走する。そして、再不斬の息の根を止めるべく心臓へと突きを放つ。カカシの右手は、確かに肉と骨を切り裂き、心臓を潰した。ただし、
「再不斬、さん……」
「よくやった、白」
潰した心臓は再不斬のものではなく、白と呼ばれたお面の子のものだった。
「!?」
想定外の乱入に茫然としたのも束の間。既に事切れた白ごと自分を切り裂こうとする再不斬を見てとったカカシはすぐさまその場から飛びのく。
飛びのいた先でカカシは白の体から腕を引き抜いた。すると、糸の切れた操り人形のように白の体は力なく倒れようとする。それをカカシは支えてやり、ゆっくりと地面へと横たわらせた。
「再不斬……」
「どうした、かかってこい」
忍犬により全身を傷つけられながらも武器を構える再不斬。だが、そこには何も感じられない。カカシには、何となく再不斬の気持ちが分かった。様は戸惑っているのだろう。白の死。それにどうしようもない何かを感じている自分自身に。
「…………」
最早何も言うまい。そう判断したカカシはクナイを構える。今ここで、忍びとしての人生を終わらせ白の元に少しでも早く送ってやろうとでも言うかのように。
だが、そこへ邪魔に入るものがいた。橋一杯の手下を従えた、再不斬の雇い主ガトーだ。
「てめぇ、なにしにきやがった!?」
今回の件は自分に任せる。そういう話であったというのにこの横やり。ガトーへの怒り
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