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蒼き夢の果てに
第1章 やって来ました剣と魔法の世界
第2話  タバサと言う名の少女
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わらず、タバサに抱き着いたままなのですが。

 見た目は赤い長い髪の毛。腰の近くにまでは有るように見えます。背は俺とそう変わらない雰囲気ですから最低でも百七十は有りますか。ついでに非常にメリハリの有る身体つきをしているのですが……。

 この娘も魔法学院の生徒で、本日、通過儀礼の使い魔召喚を行っている魔法使いなのでしょうかね。俺の蒼い御主人様と比べたら、どう見ても、四、五歳は違うように見えるのですが……。

 それで、このタバサに抱き着いたまま俺を見つめる赤毛の彼女が口にした、東方より召喚された騎士と言うのは、俺の事で間違いないのでしょうけど、最初に適当に答えた事に少し問題が有ったのかも知れません。
 確か元士族だと答えたはずなんですが、何故か、騎士に成っていますから。俺は、西洋的な騎士道なんて言うインチキ臭いものの信奉者ではないですよ。

 おっと、もしかすると、ほんの一握り、本当の騎士が居た可能性も有りますか。
 若くして、更に無名の内に死亡した騎士ならばね。

「騎士では無くて、元武士の家系で現在は式神使いやけどね」

 思わず、少し、否定的な言葉を口にして仕舞う俺。

 確かに、ここがヨーロッパ圏に属する地方ならば、騎士とか貴族とかの出身と言うのはかなり重要なはずです。ですから、他人の評価には、そちらの方から入るのかも知れないのですけど、俺に取っては、そんな事はどうでも良い事。
 まして、今は現実の世界。ファンタジー……小説のアーキタイプのひとつ、貴種漂流譚ではないのですから、他の世界での家系がどうだったかなんて、大して意味がないとは思うのですが。

 おっと、イカン。自己紹介が先でしたか。悪態はそれから後でも良かったな。
 その理由は、俺の立場はタバサさんの使い魔ですから、挨拶ひとつマトモに出来ない使い魔では、彼女に必要のない恥を掻かせる事と成ります。
 それは、流石にマズイでしょう。

「初めまして。武神忍と申します。以後、宜しくお願いしますね。
 ファミリーネームが武神で、ファーストネームが忍です」

 そう、改めて居住まいを正した後に、赤毛の女の子に対して自己紹介を行う。
 ただ、矢張り少し猫を被り損ねたとは思いますけどね。もっとも、これについては仕方がないですか。それに、別に俺は愛敬を振りまく為にやって来た訳ではないのですから、これでも十分だと思いますよ。

 まして、この世界に来たくて来た訳でもないのですから。

 そうしたら、件の赤い女の子は……。
 相変わらずタバサに抱き着いたままですか。
 しかし、何故か、俺を値踏みするような視線で見つめて居る赤い髪の女の子。

 ……って、何故に俺が、初見の女の子に値踏みされなけりゃアカンのですか。

 ……って言うか、こん
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