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蒼き夢の果てに
第1章 やって来ました剣と魔法の世界
第2話  タバサと言う名の少女
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ったらしくそう聞き返して来た。
 確かに、知らなくても不思議ではないですか。ここは西洋風の魔法世界らしいから、日本刀がない可能性も有りますね。

 そう思い、少し目の前の蒼い少女。俺の主と成ったタバサと言う名前の少女を見つめてから、周囲に視線を移す。其処には、春の穏やかな陽光に包まれた野原が広がり、魔法学院の重要な通過儀礼。使い魔召喚の儀が続けられていた。

 う〜む。しかし、どう説明しましょうかね。現物を見せるのは……簡単なのですが、流石に彼女以外のギャラリーが少々ウザイのですが。

「俺の暮らしていた国独特の武器で、優美な反りを持った片刃の剣の事なんやけど……」

 先ずはそうやって、言葉のみで説明を試みてみる俺なのですが。
 ……って、流石にこんな説明では判る訳は有りませんか。案の定、タバサからは納得したような雰囲気は流れては来ませんから。ならば、これは仕方がないですか。
 本来ならば、彼女の能力は、出来る事ならば衆人環視の中では披露したくはないのですが。

「ハルファス」

 ただ、現状では止む無しですか。そう思い、仕方がないので、三体目の式神を召喚する俺。

 尚、表面上は先ほどまでと変わった様子は見えないのですが、タバサと名乗った少女からは、明らかに興味が有ると言う風に感じる気を発っせられています。
 ……しかし、何故に、そこまで自らの感情を制しなければならないのかが判らないのですが。

 もしかすると、心を常に平静に保ち、激しい感情に乱される事なかれ。と言う戒律でも存在しているのでしょうか。彼女の魔法か、それとも家系に。
 まぁ、その辺りの事情についても、もし必要だと感じたのならば後で直接聞いてみたら良いだけの事ですか。

 先ほどの二柱の式神達と同じように空中に浮かぶ召喚円からド派手な演出と共に現れる、一人のゴージャスタイプの女性。

 金髪碧眼。見事な双丘を持ち、緑色の胸当てを装備。腰には武骨な機能性のみを重視した、一切の虚飾を取り払った長剣を差す。更に、右足だけが何故か生足状態のパンツスタイル。そして、見た目からはハイヒールの方が似合うと思うのですが、何故か踵の低いブーツタイプの靴を履いた女性が現れていたのだった。

 ただ、彼女の背中には明らかに鳥を思わせる羽が生えていたのですが。

「翼人?」

 召喚されたハルファスを透明な表情で見つめていたタバサがそう聞いて来た。成るほど。この世界にも、ハルファスの同族に当たる存在は居ると言う事ですか。

「ソロモン七十二魔将の一柱。魔将ハルファスや。彼女は、元々ハルピュイア族の女王やから、背中に羽が生えた女性の姿で顕われる。
 その職能は、主に物資の調達」

 もっとも、この説明はかなり彼女の能力の過少報告に成ります。彼女は
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