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蒼き夢の果てに
第1章 やって来ました剣と魔法の世界
第2話  タバサと言う名の少女
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少女だと判っただけでも今回は満足すべきですか。
 確かに、俺が怒っている事は見抜けたとしても、それとあの火トカゲの様子が変わった事を関連付けて考えられるか、については別問題。
 つまり、彼女はその程度には柔軟な思考を持っている事が判った訳ですから、それだけでも良しとしますか。

【フレイム。今回は、俺の主から許してやって欲しいと頼まれたから特別に許す。動いて良い】

 それに、一度許すと言ったからには、過去の罪で罰する事は無くなると言う事。だがら、この問題はこれで幕引き。
 但し、新しい罪を犯せば、それに対して新たな罰が発生する。もっとも、キュルケの場合は、俺の事を試している可能性と、本当に身分の差から自己紹介を行っていない可能性の、ふたつの選択肢が有るとは思いますけどね。

 それに、その判断については、俺の魔法……仙術を見て貰ってからの対応で判断しても遅くはないでしょう。

 そう思ってから、再びタバサの方を見つめる俺。何故なら、雑木林の方に向かって歩を進めるか、それとも、そのキュルケの方に進むかの二択かと思われた彼女の行動なのですが、彼女はそのどちらでもない、第三の選択肢を選んだのですよ、ここで。

 そう。俺を真っ直ぐに見つめたまま動かないと言う選択肢を。

 晴れ渡った冬の氷空(そら)を思わせる瞳に、少し気圧される……と言うか、照れて、思わず視線を在らぬ方向に向けて仕舞う俺。
 そうして、

「タバサ」

 短く、再び自らの名前……いや、おそらくは、魔法名を俺に告げて来る彼女。更に、

「タバサさんではない。わたしを呼ぶ時はタバサで充分」

 別に気負う訳でも無く、ましてや、不機嫌な様子でもなく淡々と続けた。それまでと変わらない、彼女独特の話し方で。
 成るほど。まぁ、理由はよく判らないけど、そう呼べと言うのなら、以後はそう呼ぶとしますか。

「そうしたら、タバサ。質問が有るんやけど、構わないか?」

 一応、キュルケが動き出したから、彼女が近くに来る前に聞いて置く必要が有る内容ですから。
 俺の問いに、タバサがコクリと首肯く。ふむ、これは肯定の意味。

「何故、騎士ならば魔法が使えるんや。俺の居た場所では魔法は一般的なモンやない。秘匿された技術やった。騎士だから、と言う理由で使えるようなシロモンではないんや」

 多分、この質問は非常に初歩的な質問と成ります。
 そして、可能性として高いのは、この世界は魔法が使える事が騎士階級に要求される最低限の能力、と言う事。

「騎士に成るには魔法が使える事が条件」

 タバサがそれまでと同じ口調で簡潔に答えた。
 成るほど。予想通りの答えですね。ならば、最初の俺の適当な受け答えが、俺が魔法を使える存在だと思われた理由なのでしょ
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