第一章
[2]次話
美人店長の素顔
八条スポーツ呉店の店長である柿本玲は切れ長の長い睫毛の目と形のいい紅の唇に面長の整った顔に波が買った奇麗な黒髪を持っている。一六七程の背で女優の様なスタイルである。
美人と評判でしかも優しく面倒見もいい、いい店長だと店員達からも客達からも評判の女性である。
悪い噂一つない、だが。
ある日店に来た客は彼女を見ると仰天してだ、新入社員の加藤黒男一七一位の背で面長で優しい顔立ちの黒髪をショートにした痩せた彼に小声で尋ねた。
「あの人が店長で大丈夫かよ」
「えっ、いい店長さんですよ」
加藤はすぐに答えた。
「物凄く」
「そ、そうなんだな」
「はい、本当に」
加藤は真顔であった。
「皆そう言ってますよ」
「そ、そうか」
客は彼の返事に信じられないという顔で返した。
「だったらいいけれどな」
「いいって何がですか?」
「いや、別にな」
こう言ってだった。
その客は買いたいものを買うとそそくさと帰っていった、だが。
加藤はその客が言ったことがわからなかった、他の店員や客達に聞いてもだった。
柿本の評判は変わらない、だがその客はまた店に来た時に彼に言った。
「三刀会ってあるよな」
「呉で有名なヤクザ屋さんですよね」
加藤はすぐに応えた。
「呉っていうとです」
「海軍、今は海自さんでな」
「ヤクザ屋さんですね」
「港町だからな」
「人手の斡旋で、ですね」
「ヤクザ屋さんがいてな」
そうであってというのだ。
「映画にもなってるな」
「広島も舞台にした」
「シリーズにもなったな」
「仁義がどうとかですね」
「その舞台にもなったな」
そうしたというのだ。
「有名な場所でな」
「それで、ですね」
「ああ、ヤクザ屋さんが多くてな」
「その中でもですよね」
「三刀会はな」
「特に大きいですね」
「それで店長さんは」
彼女はというと。
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