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夢幻水滸伝
第三百七十八話 魔術と信仰その六

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「あそこにいる人達も安心して暮らせる様にします」
「そうなのですね」
「そして」  
 それにというのだった。
「平和にします、では」
「これからですね」
「治めていきます」
「それでは、ただ」
 ここで神父が言ってきた。
「もうそろそろです」
「何でしょうか」
「この教会から引っ越されては」
「他のお家に」
「そうです、ガブリエラ様はもうひとかどの勢力の棟梁です」
 そうなったというのだ。
「こうした小さな教会におられては」
「不都合ですか」
「ですから」
 それ故にというのだ。
「これからはです」
「確かなお家に入って」
「実はすぐ傍にいいお屋敷がありますので」
「そちらにですね」
「入られて」
 そうしてというのだ。
「暮らされては」
「今のお部屋で満足していても」
「いえいえ、お立場もありますので」
「私としては」 
 あくまでこう言うガブリエラだった。
「もうです」
「もう?」
「もうといいますと」
「今のお部屋で充分ですが」
 教会の一室でというのだ。
「ほんまに」
「不自由はないですか」
「不満はないですか」
「かなり質素ですが」
「それでも」
「快適です」 
 笑顔での返事だった。
「気温も湿度も。奇麗ですし」
「だからですか」
「宜しいのですか」
「そうです、そやけどですね」
「はい、やはりです」
「結構な勢力の棟梁となられましたので」
 二人でガブリエラに言うのだった。
「それなりの立場になればそれなりのお家が必要です」
「他のこともですが」
「だからです」
「移られて下さい」
「その方がええですか」
「はい、そちらで何かとされることもあるでしょうし」
「そうしたことも考えまして」
「そうなんですね、考えます」
 ガブリエラは実際にそれから数日考えた、そして結論を出したがその結論は。
 二人が紹介した家、白いスペイン風の大きなそこに入った。すぐに住み込みで働く使用人も何人も雇われてだった。
 そのうえでその家で住みそこから市庁舎に行って仕事をする様になった、家では実際に内外の勢力の要人と会談を行ったりだ。
 棟梁の仕事をすることもあった、それでガブリエラは神父とシスターに休日家の庭で一緒に昼食を摂りつつ話した。
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