第二話 全員受けるその五
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「大谷さんは」
「もう諦めることですね」
「あんた投打二刀流の人見たことないでしょ」
鳳はおぼろに言葉を返した。
「そもそも」
「ないです」
おぼろは正直に答えた。
「しかもどっちも桁外れですから」
「だからよ」
「勝てないですか」
「ほぼね」
「京分の一ですね」
「それ位の確率よ」
「本当にまず勝てないですね」
「けれど若し勝てたら」
その京分の一の確率を当ててというのだ。
「その時はね」
「阪神に来てもらえますね」
「そうなるわ、だからね」
「狙ってみることですね」
「ここはね」
「そうだ、やってみるんだ」
翼は強い声で言った。
「この顔触れでな」
「それでは」
黒星も言った。
「皆で」
「早速練習だ」
「挑戦状の後は」
「早速な」
「挑戦状ならもう書いたわ」
鈴子が笑って言ってきた。
「後は投函ね」
「速いな」
「そうでしょ、住所も書いたし」
それもというのだ。
「だからね」
「これからか」
「大谷選手の返事が届いてね」
「そのうえで」
「挑戦状を受けてくれたら」
その時はというのだ。
「試合に向けてね」
「今から練習だな」
「そうしましょう」
こうした話をしてだった、実際に鈴子が書いた挑戦状が投函された。その投函を見届けてであった。
桜はりんねにだ、こう言った。
「あの、大谷選手の変化球は」
「何か凄いな」
「一六三キロのシンカーとかあるから」
「そんなスピードの変化球実在してるんだな」
「スライダーは一三八キロ五十三センチ曲がって」
桜はさらに話した。
「スプリットは一五一キロでね」
「そっちもすげえな」
「カーブは一九二センチ斜め下に落ちるから」
「魔球四つもあるのかよ」
「そうなの」
こう話した。
「あの人は」
「一つでもすげえのにな」
「四つもあるのよ、あの人」
「しかもストレートもすげえよな」
「一六五出せるから」
「つくづくバケモノだな」
りんねをして唸らせる程だった。
「あの人は」
「そうよね」
「勝てるかっていうとな」
「やっぱり無理よね」
「殆どな」
それこそというのだ。
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