第二話 全員受けるその四
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「見事ね」
「大谷選手に来てもらえるんですね」
「阪神にね」
「私達皆阪神ファンですし」
桜はそれでと言った。
「本当にです」
「阪神に来てくれたら嬉しいでしょ」
「はい」
魂子に心から答えた。
「そうなれば」
「だからね」
「これからですね」
「大谷選手宛に挑戦状を書いて」
そうしてというのだ。
「そのうえでね」
「勝てばいいんですね」
「そうよ、じゃあ今から挑戦状書くわね」
「けれどな、祖母ちゃん」
「お姉さんよ」
孫に笑顔で頭に血管を浮かべて言葉を返した。
「そうでしょ」
「ここでもそう言うのかよ」
「言うわ、それでね」
魂子はさらに言った。
「私達が勝ったらよ」
「大谷選手が来てくれてか」
「阪神にね」
「それで大活躍してくれてか」
「日本一にもね」
そうなることもというのだ。
「夢どころかね」
「普通にか」
「出来る様になるわ」
そうなるというのだ。
「だから今からチームを組んで」
「そしてか」
「試合をしましょう」
「それじゃあな」
「だだしね」
鯖人が笑って言ってきた。
「勝つ可能性は少ないよ」
「そうですよね」
美人も確かにと頷いた。
「流石に」
「大谷選手だからね」
「格式が違いますね」
「野球選手の中でもね」
それこそというのだ。
「特別だから」
「プロでない私達が試合をしても」
「勝てないよ」
こう言うのだった。
「確実にね」
「そうですよね」
「けれど試合をするなら」
鯖人はそれならと言った。
「若しかしたら」
「勝てるかも知れないですね」
「本当に可能性は少ないけれど」
それでもというのだ。
「けれどね」
「そしてその可能性は」
勝てるそれはというのだ。
「どれだけでしょうか」
「京分の一だね」
鯖人はにこやかに答えた。
「相手が相手だからね」
「大谷選手だからですね」
「そうさ」
美人ににこやかなまままた答えた。
「勝てる可能性なんてね」
「全くと言っていい程ないですね」
「少ないと言ったけれどね」
「実際に勝てる人じゃないわね」
鳳も思うことだった。
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