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気がついたら学校が戦場と化していました
第1話 南坂工業高校へようこそ!
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 時代は変わった。
 たった1人の人間のある発言で。
「日本の法律ってさ、つまんないよね。だから変えちゃおうぜ」
 総理大臣によるいきなりの歴史全否定の言葉によって、その場にいた人間は思考をフリーズさせた。


 桜の花も咲き始め、春真っ只中の今日4月10日、俺こと入崎冬馬(いりさきとうま)は高校生になる。
 普通、高校生になるっていったら胸躍るイベントのはずなのに、ちーっとも胸躍らないのはなぜだろう。
答えは簡単だ。俺が全くもって普通の高校生にならないことが既に決定しているからだ。
 まあ、俺以外の全日本国の高校生も普通じゃない事が決定してしまっている。哀れなもんだ。
 そして俺は普通じゃなくなった事をとてつもなく悲しんでいる。
俺だけじゃないだろう。全日本国の高校生もきっと悲しんでいることだろう。
 俺は普通の学生生活を送って、真っ当な人生を歩む、それを望んでいる。なのに神様は俺の願いを少しも聞き入れてくれない。呪うぞこの野郎。
 まあ、そんな事をひとり考えていても世界は変わってくれないので、俺は誰もいない家のドアを閉めて、自転車にまたがって学校に向かった。
 腕時計を確認すると午前7時。入学式は8時からなので少し急がなければならない。
入学初日に遅刻なんて先生にガチで殺される。比喩的表現ではなくて本当に。
 必死に自転車をこぐこと20分。額に汗をかきながら俺は高校の門をくぐった。
 下駄箱に張り出されているクラス分けの紙を確認しつつ俺は教室へ向かう。
「1−A・・・か」
教室へ到着するとため息をひとつついてドアを開ける。
 俺は黒板に書かれていた机の配置に従って席に座る。中央列前から2番目。
すると、俺の前と右隣の席の男子が話しかけてきた。
「よう冬馬。お前もこのクラスか」
「久しぶり」
話しかけてきたのは小学校時代からの腐れ縁である宮居俊也(みやいとしや)清水大地(しみずだいち)だ。
「おう。これからもよろしくな」
俺が挨拶を返すと清水が無駄に高いテンションで話を続けた。
「なあなあ!俺推薦で入ったんだぜ、推薦!すごくね!?」
「俺も推薦だったが」事実を伝えると清水は妙に沈んだ。
「そうか、お前もか……お前もなのか」
どうやら自分だけが推薦だったと思っていたらしい。
「俺もだが」宮居が口を挟む。さらに清水が沈む。
清水の考えの浅さは中学時代から全く変わっていない。
「ところでさあ!」清水が復活した。HPが低い割に復活が早いゾンビのような性格が幸いしたようで、推薦のことを乗り越えている。
「なあ!2人とも今日俺の家来な」
「ところで冬馬。知っているか?」宮居が清水のセリフにかぶせてきた。
かぶせられた清水は再び沈む。
「今年の校長、強いらしいぞ」
 この会話の意味は一般人には
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