進化する野獣
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、寒さと上からの圧力で阻まれていく。
フロストノヴァは口から白い息を吐きながら告げた。
「終わりだ。多田コウスケ……この世界の戦士よ」
右手の刃に力を入れながら、フロストノヴァは左手に冷気を溜め込んでいく。そのまま放たれれば、この新形態でも果たして無事にいられるか分からない。
だが。
「負けられねえんだよ……!」
降ろされる左手を掴み、ビーストは少しずつ起き上がっていく。
「……!」
「アイツらにも……お前にも……! これ以上、取り返しのつかねえことをさせるわけにはいかねえんだよ!」
「……!」
ビーストはフロストノヴァの目の前まで顔を上げる。
「お前にも!」
唸るコウスケ。
すると、その全身から金色の幻影が吠えた。
現実の世界に現れたキマイラの圧が、吹雪ごとフロストノヴァを吹き飛ばしていく。
「ぐっ……!」
ゴロゴロと地面を転がったフロストノヴァ。起き上がり、睨みつける眼差しには、未だに闘志が冷めた様子はない。
「まだまだやる気みてえだな……」
「私達の願いのためだ」
「家族……か」
ビーストはゆっくりと立ち上がる。
「お前たちは自分の家族のために戦うんなら、オレは誰かの家族のために戦うぜ。これでも、聖杯戦争で人生を狂わされたなんざ、珍しくねえんでな」
ビーストはそう言いながら、ハイパーリングに手を当てる。
上半分のパーツをスライドさせることで、それは縦に伸び、あたかもライオンの口が開いているようなデザインになる。
そして、丁度ミラージュマグナムにも開いている同じ形の窪みにセット。
『ハイパー マグナムストライク』
青と黄色の光が、ビーストへ集まっていく。集まった光は魔力となり、腕を使いミラージュマグナムの銃口へと流れていく。
一方、フロストノヴァの周囲にも白い雪が集まっていく。先ほどまでの広がっていた吹雪が一か所に集まり、より強い冷気となっていく。
そして。
「りゃああああああああああああっ!」
そして放たれる銃弾。
氷によっては妨害されない銃弾は、キマイラの幻影となり、同時に放たれたフロストノヴァの吹雪とぶつかり合う。
キマイラと吹雪は、互いに接戦。
「負けられねえ……ダチのためにも……負けてたまるかあああああああああ!」
「ううっ……」
フロストノヴァの体が、一瞬震える。それに伴い、一瞬だけフロストノヴァの吹雪が麻痺する。
キマイラはその隙を逃さず、吹雪にその牙を突き立てる。吹雪は固体のようにキマイラに捕食され、次々にその量が減っていく。
さらに、吹雪の量が少なくなっていくごとに、キマイラと雪うさぎの距離が徐々に短くなっていく。
やがてキマイラの幻影は
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